研究課題/領域番号 |
15390634
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
宮脇 正一 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80295807)
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研究分担者 |
山本 照子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (00127250)
谷本 裕子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20190754)
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キーワード | ブラキシズム / 食道内pH / 食道内圧 / RMMA / 顎関節症 / ポリソムノグラフ / 筋活動 / 脳波 |
研究概要 |
1.被験者の確保 本研究計画について倫理員会の承認後、被験者の募集を行った。 2.被験者の分類 簡易型テレメータ筋電図記録システムとビデオカメラを用いて、被験者の自宅にて睡眠時の両側咬筋の筋活動、顎顔面運動ならびに睡眠時の体位の記録を行い、最近6か月間に3回/週以上の歯ぎしり、起床時における咀嚼筋の疲労感や違和感ならびに歯の咬耗が認められ、さらに、4回/時以上のブラキシズムエピソード、25回/時以上のブラキシズムバーストならびに2回/晩以上の歯ぎしり音のある者をブラキシズム患者とした。一方、これらの所見ならびに顎関節症状を共に認めない者を正常者とした。 3.ポリソムノグラフシステムを用いた睡眠時の生体信号の採得 ポリソムノグラフ、食道内pH・運動モニタリングシステム、8チャンネル生体アンプならびにビデオカメラを用いて、食道内pH、下部食道括約筋圧、脳波、眼電図、心電図、呼吸、筋電図(側頭筋)、体位、音声・画像の記録を行った。pHセンサーならびに内圧センサーは、内圧データによってその位置を確認しながら、下部食道括約筋相当部に設置した。これらの記録を被験者の自宅で2晩連続して行い、2日目のデータを解析データに用いた。被験者には、検査期間中、カロリーの決まった食事を同じ時間帯に摂ってもらった。 4.検査データの解析 ブラキシズム・上部消化管機能解析ソフトウェアと音声・画像データを用いて、ブラキシズムエピソード、酸逆流エピソードならびに下部食道括約筋弛緩エピソードをスコアリングした。脳波と筋電図データ等を用いてトレーニングを受けた検者が睡眠段階を判定した。 以上のエピソード間の時間関係を統計学的に比較検討した結果、睡眠時において、下部食道括約筋の弛緩すなわち胃食道酸逆流によって生じた食道内pHの低下時にブラキシズムが特異的に発生し、ブラキシズム患者の胃食道酸逆流エピソードの頻度と持続時間は正常者に比べて有意に高くかつ長いことが明らかとなった。
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