研究課題/領域番号 |
15390644
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (00215344)
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研究分担者 |
杉田 典子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30313547)
伊藤 聡 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00334681)
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キーワード | 歯周疾患 / 自己免疫疾患 / 遺伝子多型 / 共通リスク遺伝子 / FcγR / FcαR / PCR法 / シークエンス法 |
研究概要 |
歯周疾患と自己免疫疾患(SLE)の共通する病因・病態として、免疫複合体(自己抗体・細菌-抗体)の処理に重要な役割を担う免疫グロブリン受容体(FcR)に着目した。喫煙経験のない歯周疾患を有するSLE患者42名、歯周疾患がないSLE患者18名、歯周疾患を有する非SLE患者42名、並びに歯周疾患がない健常者42名よりインフォームド・コンセントを得た後、末梢血を採取し、ゲノムDNAを抽出後、既知のFcR遺伝子多型についてアレル特異的PCR法にてタイピングを行った。その結果、SLE患者群では健常者群と比べて歯周疾患の罹患率が約2倍高かった。2つの疾患に共通して関与したのはFcγRIIA遺伝子であり、FcRIIA-R131が有意に多く患者群に認められた。 更にFcRの新規遺伝子多型として、好中球特異的FcαRI(CD89)とB細胞特異的FcγRIIB(CD32)遺伝子に着目し、同遺伝子の塩基配列をシークエンス法により解析した。その結果、FcαRIでは1カ所、FcγRIIBでは7カ所に新たな遺伝子多型が認められた。特に、FcαRInt324A/G、FcRIIB nt775T/Cの2つの遺伝子多型は、歯周疾患が早く発症する侵襲性歯周炎患者において、健常者群と比べて、有意に異なった遺伝子型分布が認められ、侵襲性歯周炎の遺伝子診断マーカーとしての有用性が示唆された。 現在、これらの新規遺伝子多型をSLE患者についても同定中であり、今後、自己免疫疾患との関連性を検討する予定である。
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