研究課題/領域番号 |
15390644
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 哲夫 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教授 (00215344)
|
研究分担者 |
杉田 典子 新潟大学, 医歯学系, 助手 (30313547)
山本 幸司 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (00397142)
|
キーワード | 歯周疾患 / 自己免疫疾患 / 全身エリテマトーデス / 関節リウマチ / 共通リスク遺伝子 / 遺伝子多型 / 免疫グロブリンFc受容体 / インターロイキン1 |
研究概要 |
本研究では、歯周疾患と自己免疫疾患に共通したリスク遺伝子を特定することを目的として、両疾患に共通する病因・病態として、免疫複合体(自己抗体・細菌特異的抗体)の処理に重要な役割を担う免疫グロブリン受容体(FcR)と組織破壊に関与する炎症性サイトカインであるインターロイキン1(IL-1)遺伝子に着目し、遺伝子型分布解析とその機能的検証を実施した。その結果、 1 慢性歯周炎患者213名、全身性エリテマトーデス(SLE)患者87名、健常者209名を対象に遺伝子多型解析したところFcγRIIA遺伝子のみに歯周炎およびSLEと有意な相関が認められた。 この結果の機能的検証のため、FcγRIIA R/R131とFcγRIIA H/H131の各遺伝子型の単球・マクロファージの炎症性サイトカイン産生能を調べたところ、R/R131タイプで有意に高いIL-1産生能が認められた。したがって、FcγRIIA遺伝子は歯周炎とSLEとに共通したリスク遺伝子になる可能性が示唆された。 2 抗体産生を抑制するFcγRIIB遺伝子多型について、SLE患者66名、歯周疾患患者58名、健常者44名を対象に解析したところ、FcγRIIB nt775C/Tが共通リスク遺伝子であり、更に、同多型は歯周病原菌Porphyromonas gingivalis 40kDa外膜蛋白に対する特異的抗体産生を制御することが認められた。 3 関節リウマチ(RA)患者46名、慢性歯周炎患者140名、侵襲性歯周炎患者50名、健常者149名を対象に遺伝子多型解析したところIL-1B+3954遺伝子がRAの発症に関与することが統計学的に示めされた。
|