研究課題/領域番号 |
15390649
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮崎 秀夫 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00157629)
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研究分担者 |
葭原 明弘 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (50201033)
花田 信弘 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 部長 (70180916)
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キーワード | Streptococcus mutans / 遺伝子多型 / 非水溶性グルカン |
研究概要 |
ミュータンスレンサ球菌群のうち、ヒト口腔から比較的多く分離される菌としてはStreptoccus mutansやStreptocococcus sobrinusがある。これらの菌が有する齲蝕原性の一つとして、非水溶性グルカン(WIG)を合成し歯面上に固着する能力が挙げられる。今回S.mutansの非水溶性グルカン合成酵素GtfBに注目し、これをコードするgtfBの遺伝子多型とWIG合成能の関連性を検討した。 小学生を被験者として刺激唾液を採取し、唾液からS.mutansを分離した。唾液中にS.sobrinusを保有していた児童および複数のS.mutans株を保有していた児童は対象から除外した。得られたS.mutans株21株からDNAを抽出し、gtfBを複数の領域に分けてダイレクトシークエンシングを行い、gtfB全体の塩基配列を得た。 GtfBは409-427の19アミノ酸(ANDVDNSNPVVQAEQLNWL)および446-454の9アミノ酸(DSIRVDAVD)配列が酵素活性に非常に重要であることが分かっている。また、C末端側1/3には保存性の高い繰り返し配列があり、この繰り返し配列がデキストランとの結合に重要であることが分かっている。また、gtfBの上流には幾つかのE.coliプロモーター様配列が存在し、gtfBの転写に影響していると考えられている。 今回、21株のS.mutans分離株由来gtfBにおいて、409-427および446-454のアミノ酸配列に影響を与えるミスセンス変異は認められなかった。また、gtfB上流のE.coliプロモーター様配列にもWIG合成能と関連を示すDNA多型は認められなかった。GtfBのC末端側においては菌株によるばらつきが比較的多く認められ、WIG合成能の低い幾つかの菌株で、繰り返し配列領域のC末端側での欠失変異が認められた。
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