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2004 年度 実績報告書

口臭原因物質の病原性の解明と新しい治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15390651
研究機関鹿児島大学

研究代表者

於保 孝彦  鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50160940)

研究分担者 中野 善夫  九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (80253459)
キーワード口臭 / 揮発性硫化物 / システイン分解酵素 / 硫化水素 / 病原性 / メチルメルカプタン
研究概要

本研究では、口臭原因物質の一つである揮発性硫化物の病原性の解明と新しい治療法の開発を目指して、まず口腔内細菌の硫化水素産性能について調べた。その結果、口腔内常在菌であるStreptococcus anginosusは、歯周病細菌と同等の高い硫化水素産生能を持つことが明らかとなった。またこのグループに属する他の2菌種(S.intermedius, S.constellatus)も、同様に高い硫化水素産生能を持つことが認められた。このS.anginosusグループの菌は膿瘍から高頻度に回収されることから、化膿性炎症病巣において生体の防御機構に抵抗する因子を持っていることが予測された。そこで今年度は同菌の膿瘍形成能を調べるためのマウス実験モデルを確立した。プラークそのものをマウス皮下に注入して経日的にその膿瘍形成状態を調べ、膿瘍中に含まれる菌種を調べたところ、S.anginosusグループに属する3菌種が高頻度に回収された。またこのグループに属するそれぞれの菌単独でも高い膿瘍形成能が認められた。生体防御因子との反応を調べるためヒト好中球による貪食のされ方を他の菌種と比較したところ、S.anginosusグループの菌は好中球に対して高い抵抗性を示すことが認められた。この抵抗性と硫化水素産生能との関係を調べるため、硫化水素産生酵素であるL-システイン分解酵素(βC-S lyase)の遺伝子を欠失した変異株を作製して野生株との比較を行う試みを継続している。
一方、歯周病細菌の一つであるPorphyromonas gingivalisのメチルメルカプタン産生能と歯周病の程度の相関を調べる目的で、歯周ポケット内の同菌の数を定量する方法をリアルタイムPCRを用いて確立した。その結果、同菌の数と歯周状態に高い相関があることが認められメチルメルカプタンの為害性の関与が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 口臭予防による口腔環境改善に関する研究(第2報)-植物抽出物とキノコ由来酵素の併用によるメチルメルカプタン消臭効果の増強について-2004

    • 著者名/発表者名
      石川正夫 他
    • 雑誌名

      歯科審美 17

      ページ: 90-94

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] TaqMan real-time polymerase chain reaction assay for the correlation of Treponema denticola numbers to the severity of periodontal disease2004

    • 著者名/発表者名
      Yoshida, A. et al.
    • 雑誌名

      Oral Microbiol.Immunol. 196

      ページ: 196-200

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Prevalence of Porphyromonas gingivalis in relation to periodontal status assessed by real-time PCR2004

    • 著者名/発表者名
      Kawada, M. et al.
    • 雑誌名

      Oral Microbiol.Immunol. 196

      ページ: 289-292

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [雑誌論文] Considerations in evaluating the applicability of universal detection of oral pathogens2004

    • 著者名/発表者名
      Boutaga, K. et al.
    • 雑誌名

      J.Clin.Microbiol. 42

      ページ: 4414-4415

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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