研究課題/領域番号 |
15390657
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
松久保 隆 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (90112804)
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研究分担者 |
石川 達也 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (30085708)
佐藤 亨 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (50192092)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
藤田 雅文 岐阜大学, 医学部, 講師 (50021449)
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キーワード | 聴覚野応答 / 噛みしめ / 脳磁図計(MEG) / 咬合圧モニタリング装置 / 偏位咀嚼 / 咀嚼部位 / 臨床疫学 / オージオメータ |
研究概要 |
本研究の目的は、 研究-1: 偏位性咀嚼習癖を持つ患者の聴力変化の機構を明らかにするため、コットンロール噛みしめ時の聴性誘発脳磁場(AFEs)を定量的に比較検討すること。 研究-2: 歯科診療所に来院した患者の偏咀嚼と聴力値との関連性を疫学的に検討すること、である。 本年度に得られた新しい知見は、 研究-1: 被験者の最大咬合圧の40%以下のコットンロール噛みしめであれば咀嚼筋由来磁場はAFEs測定に影響しないことを周波数分析であるFFT(fust flurier transformation)法を用いて明らかにした。すなわち、各測定条件で音刺激がある場合のデータから音刺激がない場合のデータを差し引いたデータによる解析の結果、低周波域に音刺激による応答と高周波域に筋肉からの応答とに分けられることが示され、17Hz以上の周波数域のデータを除外したデータによって解析可能であった。 これらの知見は、臨床症例で示されている偏位性咀嚼による聴力変化の機構を客観的および定量的に明らかにする方法としてAEFs測定が有効であることを示し、本解析方法は聴覚以外の感覚への噛みしめの影響も検討することによってその機構が明らかにできると考えられた。 研究-2: 歯科医院に来院した50歳以上の患者161名の治療前後のオージオグラムの解析を行った。中等度難聴(30-60dB)の患者が20dB以上になる割合は57.9%であった。 本研究は、咬合・咀嚼機能ならびに歯科治療が全身機能に影響を与えていることを示す結果である。
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