研究課題/領域番号 |
15390684
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
臼井 キミカ 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (10281271)
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研究分担者 |
佐々木 八千代 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (10382243)
山本 美輪 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (70353034)
津村 智恵子 大阪市立大学, 医学部, 教授 (40264824)
白井 みどり 名古屋市立大学, 看護学部, 助教授 (30275151)
今川 真治 広島大学, 教育学研究科, 助教授 (00211756)
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キーワード | 認知症高齢者 / ケアの質 / 重度認知障害 / 表情分析 / 行動分析 / グループホーム / ケアプログラム |
研究概要 |
1.痴呆性高齢者のケアの質を明らかにするために、認知症高齢者の感情表出と行動を評価する尺度の開発を行い、その信頼性を検証する。 【方法】認知症高齢者のケアの質を評価する尺度を作成し、3人以上の研究者で平成16年度に2カ所のグループホーム入居高齢者18人とケア職員10人による映像データを用いてその信頼性を検証する。 【結果】認知症高齢者の表情と行動に関する17項目の尺度を作成した。認知症高齢者に対するケア場面1,967セッションを抽出し、尺度を用いて複数(最低3人)の研究者で総合的に評価し、高い一致率を得ることができた。 2.重症化した認知症高齢者への有効なケア内容を明らかにし、ケア職員の教育・研修用のプログラムを作成し、その有効性を検証する。 【方法】(1)高齢者ケアの先進国であるデンマークにおける重度認知症高齢者ケアの実際を視察する。 (2)上記1.の映像データ、および平成15年度から収集してきた映像データを用いて研修ビデオを制作する。 【結果】(1)17年8月17日〜8月25日にデンマークのフユン県他で認知症高齢者の8つの施設を視察した。重度認知症高齢者のケアでは、外に連れ出して自然に触れ、側にいて本を読んで聞かせるなど徹底して個別でのケアを日常的に行う。経口摂取が不可能になっても高齢者のQOL低下につながるとの見解から経管栄養はしないし、誰も希望しない。終末期を過ごす場所の選択は家族の判断に委ねられるが、継続してケア施設で過ごし最期を迎える人が多い。(2)映像を中心にした研修プログラムを制作し、その評価を行った。研修では「よい・望ましくない」ケアとして一方的に提示するのではなく、参加者自身が評価の根拠をお互いが出し合い、特に微細な反応・行動に気づくことが求められる。評価では職員と高齢者間の距離、定位の有無とその方向・位置、関わりの時間、タッチ、見守り、コミュニケーションでは挨拶、感謝、選択、うながし、依頼、支持、質問、説明等の内容とそれに対する高齢者の定位、発語、うなずき、肯定的・否定的感情反応と行動をもとに総合的に検討・評価する。 3.平成15年度から17年度までの研究成果をまとめる。 【方法・結果】平成15年度から17年度までの研究成果をまとめ、報告書を作成した。
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