研究課題
本年度の研究実施計画にもとづき、有意味図版と刺激語と作文による分析方法を使用して、聖なる火と鳥葬に関するゾ教徒の心的態度を取り出した。海外研究協力者のDasturji DR.Firoze M.KotwalとDasturji Meherji Ranaは、ペルシア語文献史料とグジャラーティ文献史料から本調査の内容を精査し批判した。有意味図版と刺激語による自由連想を含めた質問紙表調査によって、現時点までに明らかになった事実は、次のとおりである。(1)聖なる火については、竈の火と聖火殿の火に対する祈りの内容が異なっており、前者においては自身の身近なことがらのために、後者においては地域、コミュニティー、世界を含めたことがらのために祈る。(2)鳥葬には墓という考え方はなく、ゾロアスター教徒に強く見られる祖先崇拝の思考は、カラスヨ(一人ひとりの死者のために用意され、祖先祭祀の場面で使用される金属製の容器)と過去帳(ナームガラン)をとおして保持されている。(3)悪魔の存在とその影響に関する具体的な考え方と行動の仕方は、死および死体からの忌避という思考に表れており、この考え方と行動は『アヴェスター』の内容を大部分そのままの形で継承してきている。また、悪魔に対抗する手段である犬(犬による凝視)、牛(の尿による清め)、清浄儀礼(9日間隔離され身体の穢れをおとす儀礼)についての考え方と行動も『アヴェスター』の内容を継承している。(4)上述の事実は、昨年度の調査によって発見された事実、つまり、ゾロアスター教徒の古い祈りの意味はほとんどすべて継承されてきていないという事実と対照的である。青木は、中世ペルシア語パフラヴィー語文献の翻刻を行い、聖火と聖地に関する新たな知見を導き出した。
すべて 2005
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宗教研究 第344号
ページ: 25-47
宮崎公立大学人文学部紀要 第13巻第1号
ページ: 207-226
Bulletin of Miyazaki Municipal University Vol.13, No.1
ページ: 227-244
東京大学東洋文化研究所紀要 第148冊
ページ: 236-178
東洋学報 第87巻第2号
ページ: 01-028