研究課題/領域番号 |
15401016
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
遠藤 織枝 文教大学, 文学部, 教授 (10203663)
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研究分担者 |
桜井 隆 明海大学, 外国語学部, 教授 (60255031)
陳 力衛 目白学園短期大学部, 助教授 (60269470)
劉 頴 成城大学, 文芸学部, 助教授 (10307118)
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キーワード | 女書 / 湖南省 / 江永県 / 陽煥宜 / 何艶新 / 女書伝人 |
研究概要 |
中国湖南省江永県現地での調査で、現地政府が2003年11月に、女文字保存のために、5人の女性に「女書伝人」の称号を与えたことを知った。その5人の中で、娘時代に実際に女書を使ってコミュニケーションをし合った、陽煥宜と、少女時代に祖母から習った何艶新とは、伝承者といえるが、それ以外の3人は、最近習って書き始めた人たちで、伝承者とは言えない。その中で何静華は政府の要請に応じて積極的に書いているが、彼女独自の装飾を施した文字で、従来の女文字とは質的に異なってきている。そのような人の文字を伝承者として政府が重用することは、本来の文字の保存の方向を歪めることになりはしないかと危惧される。 また、9月に中国社会科学院語言研究所と共催で開いた「女書の歴史・現状・将来」と題するシンポジウムでは、女書の歴史が甲骨文字よりも古いとする、非科学的で恣意的な女書の歴史説に対する批判が出された。また、この分野の研究が、従来、1部の研究者がそれぞれ互いに反目しあいながら、各自の主張を繰り返すのみであったのに対して、より、共同して協力しながら、一つの真実の発見をめざすべきであることを、確認しあった。
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