研究課題/領域番号 |
15401021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒川 正晴 大阪大学, 文学研究科, 教授 (10283699)
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研究分担者 |
吉田 豊 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (30191620)
武内 紹人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (10171612)
松井 太 弘前大学, 人文学部, 助教授 (10333709)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 東トルキスタン / コータン / ウルムチ / トゥルファン / 漢文文書 / 中期イラン語文書 / チベット語文書 |
研究概要 |
本科研調査は、19世紀末以降、各国の探検隊・調査隊によって発掘・収集され、現在世界に散在するにいたった「胡漢文書」の調査と並んで、東トルキスタン出土の新出文字資料に関する情報の空白部分を少しでも埋めることを目的としたものである。 初年度は、SARS問題のためにヨーロッパにおける「胡漢文書」の調査を中心にしたが、その成果については研究報告書に載せた通りである。漢文文書とともにチベット語さらには西夏語文書にもその調査は及んでいる。 第2・3年度については、東トルキスタンにおける調査対象地として、コータンKhotan地区とウルムチUrumchi・トゥルファンTurfan地区を選定した。 まずコータン地区では、漢語およびチベット語・ソクド語文書と、それらが出土した遺跡の調査を主に行った。とりわけ漢語文書については、ドモコ(Domoko)から出土した新たな文書について分析を深めることができた。また遺跡調査では、マザル・ターグMazar tagh遺跡に対する調査により、この地が7・8世紀になって軍事目的のために完全に人為的に作られた拠点であったことが明らかとなった。このことがこの遺跡から出土した文書の性格を捉えるうえで重要となった。すなわち、出土文書に書かれていることは、明らかにマザル・ターグ周辺の土地の状況を伝えるものではなく、他の地で作成された文書がこの地にもたらされたものであったことが知られる。この見解に基づいて、あらたにマザル・ターグ出土文書の内容を見直してゆくことが求められてくる。 他方、ウルムチ・トゥルファン地区では、ウルムチの新疆博物館および吐魯番地区博物館において、新出のウイグル語文書の調査を行った。とくに1980年にトゥルファンのベゼクリクBazaklik石窟から出土したウイグル語文書を精査した。これによって、新出ウイグル語文書の発見状況について新たな知見を得るとともに、同文書に対する従来の研究を深めることができた。
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