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2003 年度 実績報告書

ユーラシア草原地帯東部における騎馬遊牧文化の成立に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15401025
研究種目

基盤研究(B)

研究機関金沢大学

研究代表者

高濱 秀  金沢大学, 文学部, 教授 (60000353)

研究分担者 松原 隆治  星城大学, 経営学部, 助教授 (50259363)
川又 正智  国士舘大学, 文学部, 教授 (90103671)
林 俊雄  創価大学, 文学部, 教授 (50132759)
キーワードヘレクスル / 鹿石 / 騎馬遊牧民 / 板石墓文化 / モンゴル / 青銅器文化
研究概要

今年度の調査では、オラーン・オーシグIの1号ヘレクスル中央の積石塚南半分を除去した。その過程で、板石墓文化のものと類似した土器片が数片発見された。これらは年代的にヘレクスル築造以後のものと推測され、両文化の関係を考える上に重要である。また積石塚の東南部分で、周辺に接した形で鹿石が1個発見された。これは鹿が表わされず、円が2個刻まれるだけのものであるが、ヘレクスルに確実に伴なったものとして貴重である。中央の積石塚では、予想された右槨は南半分に発見されなかったが、断面や、地表に最初に置かれた石の観察等により、その建造法についてある程度の推測をすることができた。すなわち、全体的に下から上へと積み上げていったのではなく、中心の核部分をまず作り、その周りに石を付けるようにして築いていったと考えられるのである。
1号ヘレクスルには東側にアンテナ状の突出部が付いていたが、その基部を精査した結果、突出部が積石塚と同じ地層の上にあり、積石塚に直接接していることが確認された。これによって突出部が積石塚に築造時から本来伴っていたと断定はまだ出来ないが、後世に付けられたと考える根拠はない。
積石塚を東側から囲む石堆を発掘した。13基の石堆の発掘により、12基から東に鼻面を向けた馬の頭骨が発見された。またそれに伴って、頸骨が8基から出土し、4基から蹄が発見された。石堆の断面の観察により、その構築法について知識を得る事ができた。まず、平らな地面の上に馬の頭を置く。あるいは小さな穴を掘って馬の頭を置くこともある。その上に土を掛け、比較的小さな石を並べ、その中央に大きな石を円形に置くというものである。このように、地面に穴を掘る場合と掘らない場合があることが断面観察の結果明らかになった。馬の頭を水平に置くためには、いずれにせよ、ある程度の穴を掘ることが必要になると思われる。
鹿石のあるオラーン・オーシグI南部において、7号ストーンサークルを発掘し、馬の頭を検出した。頸骨および蹄が伴っていた。
またオラーン・オーシグ周囲や周辺の他のヘレクスル群の調査によって、鹿石がヘレクスルに伴う例を数例加えることが出来た。これらはみな鹿の表わされない鹿石である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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