研究課題/領域番号 |
15401025
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高濱 秀 金沢大学, 文学部, 教授 (60000353)
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研究分担者 |
林 俊雄 創価大学, 文学部, 教授 (50132759)
松原 隆治 星城大学, 経営学部, 助教授 (50259363)
本郷 一美 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (20303919)
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キーワード | ヘレクスル / 鹿石 / 騎馬遊牧民 / モンゴル / 青銅器時代 / 板石墓文化 |
研究概要 |
前年度までの2シーズンでは、「ヘレクスル」が墓であることを明らかにするため、オラーン・オーシグIにおいて主に1号ヘレクスルを発掘した。中央の積石塚の中に石棺を見出したが、人骨は発見されなかった。今年度は、ヘレクスルが墓であることを再確認するために、さらに一基、小型の12号ヘレクスルを発掘した。積石塚の中央の石棺のなかから今回は小児の骨を発見することができた。これにより、ヘレクスルが基本的に墓であることは立証できたと考える。また構造が1号ヘレクスルとは異なっていることも明らかになった。これは主に大きさの違いによると思われるが、別種の構築法が明らかになったのは一つの成果である。 ヘレクスル以外に、やはりこの遺跡にある板石墓を1基発掘した。内側に発見された土壌から50歳代前半の男子の人骨がかなりよい状態で出土し、また弓の部品である角製の弭が発見された。この板石墓はヘレクスルと同じ地層の上にあるが、4号ヘレクスル北側の敷石を壊しているところから、それより後のものであることを推測できる。しかし角製の弭からさらに詳細な年代を導き出すことはできない。一方、墓を囲む板石の外側にある多くの石が、墓と同じ地層上にあることを確認した。後世の盗掘の結果ではなく、元来その位置で墓の構造の一部をなしていたという、ツビクタロフの指摘が正しいと考えられる。 そのほか、7号鹿石の周りを発掘し、ストーンサークルを見出した。それに接して敷石を発見したが、鹿石との関連は確認できなかった。鹿石の近辺にあった数基のストーンサークル状のものは、かなり大きな石堆になることが分かった。 また長い間行方不明になっていた第15号鹿石の大部分の破片をムルン市のフブスグル・アイマク博物館において発見した。
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