• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

社会構造の変化に伴う過放牧に起因する地生態の変化

研究課題

研究課題/領域番号 15401032
研究種目

基盤研究(B)

研究機関法政大学

研究代表者

吉野 和子 (漆原 和子)  法政大学, 文学部, 教授 (00101329)

研究分担者 白坂 蕃  川村学園女子大学, 人間文化学部, 教授 (40014790)
森 和紀  日本大学, 文理学部・地球システム科学科, 教授 (60024494)
山本 茂  法政大学, 文学部, 教授 (70008704)
キーワードルーマニア / カルパチア山地 / 土壌侵食 / 過放牧
研究概要

EU加盟が間近いスロベニアの過放牧に関する現地調査は、カルスト研究所Tadej Slabeの協力を得て、漆原がカルスト台地の羊とVerika Planinaの牛の調査をおこなった。カルスト台地は、戦後の植林が進み、雑木林化している地域が多くなり、放牧が困難になった。従って、放牧は、限られた場所でのみおこない、飼料を購入する方向に転換している。また、牛の放牧はVerica Planinaで移牧をおこなっており、急傾斜地なドリーネの壁面のみで土壌侵食が発生しており、ここでの計測を終えた。1年後の移動量は2004年に再度計測をおこなう。
ルーマニアのカルパチア山地北麓の羊の放牧は、科学アカデミー地理研究所所長Dan Balteanuの協力を得て、土壌侵食の計測は漆原が、水質調査は森が担当し、白坂は移牧の形式と時期についての聞き取りをおこなった。また、山本は革命後変化した社会の体制、土地所有の形式などについて資料を集めた。基礎データを得るため、雨量計(E01010029-00〜02)はアカデミーの協力を得て、現地に設置した。移牧による土壌侵食は、先カンブリア時代の結晶片岩地域に限られている。今年度の移動量計測をおこなった場所を2004年に再度計測することにした。
水質汚染は、過放牧による糞尿による影響よりも、むしろ羊毛の洗浄によるCODやアンモニア量の著しい増大がみられた。村落の下流では、畜産廃水と生活廃水による汚染が著しいことがわかった。
移牧の頭数は聞き取りによって明らかにしていく以外に方法はなく、数的な現状把握がきわめて困難である。しかし、調査地ジーナは移牧の中心地であり、ジーナより標高の高い地域へ夏移動し、冬にかけて低地に移動することがわかった。過放牧の限界頭数は、2004年度にむけて、聞き取りにさらに時間をかける必要が生じてきた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 森和紀, 漆原和子, Balteanu, D., Serban, M., Borco G., Donut, C.: "ドナウ川水系チヒン川源流域における河川・地下水の汚染とその要因"2003年度日本水文科学会学術大会発表要旨集. 18. 92-93 (2003)

  • [文献書誌] 漆原和子 森和紀, 白坂蕃, 羽田麻美: "ルーマニアカルパチア山地における移牧の影響"法政地理学会春季大会 2004年4月17日(土).

  • [文献書誌] Mori, K., Urushibara-Yoshino, K., Balteanu, D., Servan, M.: "Primary factor of water pollution in the headwaters basin of River Cibin with special reference to sustainable water use"30th International Geographical Congress, Glasgow 2004年8月16日.

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi