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2004 年度 実績報告書

地域間経済格差是正と環境改善の最適地域マネジメントのあり方-中国寧夏回族自治区と日本国中国山地の比較をもとに-

研究課題

研究課題/領域番号 15402002
研究機関島根大学

研究代表者

保母 武彦  島根大学, 副学長 (70127497)

研究分担者 井口 隆史  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (70032604)
藤原 勉  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (00023474)
中林 吉幸  島根大学, 法文学部, 教授 (90237371)
伊藤 勝久  島根大学, 生物資源科学部, 教授 (80159863)
キーワード西部大開発 / 環境保全 / 農村開発 / 退耕還林政策 / 封山禁牧 / 近代化過程 / 所得格差 / 寧夏回族自治区
研究概要

16年度は,北京市の中央政府(国家林業部,中国林業科学院,北京林業大学)において退耕還林政策に関する政府見解のヒアリングを行った.また寧夏南部山区では昨年に引き続き農村の実態調査(農家調査)とメンヨウの栄養状態の調査,及び自治区政府において財政問題の調査を行った。
(1)退耕還林の成果は,造林面積に占める率が99〜03年実績の平均で40%に達し,森林率も全国的に増加し,黄河で観測されたの流沙量は98年に比べ03年には2.3億トンとほぼ半減し,いずれでも効果が出ている.しかし,国務院の条例の実施方法を変更しようとする方針と環境保全の必要から森林造成の基本的技術を維持する必要があるとする林業部との考えが異なり,今後に若干の不透明性が生じていることが分かった.
(2)寧夏南部山区の実態調査では,90年,98年に調査した定点観測の3地域の農家を三度訪問し,政策と社会状況の変化と農家世帯の変化との関連を観察した.退耕還林政策の実施により耕地を森林にせざるを得ないため,農家経済は農業・牧畜業から兼業化,出稼ぎ化が進み,地域の人口変動もその所得構造も大きく変化していることが確認できた.この調査は,17年度も継続する予定である.
(3)メンヨウの栄養調査では,退耕還林と封山禁牧の結果,舎飼い化と人工飼料化が進んでいるが,その技術面が十分に開発されていないため貧栄養の個体が増加し,肉質にも影響を及ぼしていることが判明した.
(4)自治区での政策・財政面の調査では,貧困支援政策に関してとして指導者及び農民に対する実用技術訓練を進め自立に向かわせる新しい方式が進められており,また地方中核都市での都市化・人口集中を積極的に推進し,2・3次産業化を進めようとする政策が打ち出されている.これについて日本の急激な都市化の経験から産業化・人口集中・インフラ整備など様々な面から助言をする必要があると判断される.
(5)その他,寧夏大学と島根大学の両大学の国際共同研究所を設立し,今後,本科研の課題だけでなく多分野での共同研究を進めることが協議され確認された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 寧夏南部山区農村社会経済的変化和発展方向(中国語)2005

    • 著者名/発表者名
      伊藤勝久
    • 雑誌名

      寧夏大学学報(人文社会科学版) 27:1(No124)

      ページ: 50-60

  • [雑誌論文] 寧夏20世紀90年代農業生産発展状況的調査研究(中国語)2005

    • 著者名/発表者名
      中林吉幸
    • 雑誌名

      寧夏大学学報(人文社会科学版) 27:1(No124)

      ページ: 61-82

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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