モスクワ市内に発生しているコミュニティーを調査し、その活動を分析しました。今回調査対象としたのは、モスクワ市ザモスクワレーチエ地区に結成された「オフチーンニコフスカヤ・スロバダー」という組織で、周辺住民451人が参加しています。このコミュニティーには、議長1人、書記1人、運営委員13人、監査委員3人が中心となり、地域社会のさまざまな問題に取り組んでいます。 とりわけ、モスクワ市の都心では地域開発の波が押し寄せており、住民の居住地では住民紛争を引き起こしています。今年度の調査では、コミュニティーの紛争へのかかわりをはじめとして、コミュニティー自体が抱える問題にも立ち入って調査をしました。 住民意識の変化については、ザモスクワレーチエ区役所広報部の協力を得て、地区住民を対象とする住民意識調査の項目について詰めることができました。この調査では政治的な質問ではなく、地域社会のあり方、さらには地区行政にたいして住民がどのような意識をもっているかに重点を置いています。 この住民意識との関連で、ロシア大統領府住民面会所を訪問し、大統領に直訴する人びとの政治意識、そしてかれらがどのような問題で直訴しているかを聞き出すことができました。
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