研究課題/領域番号 |
15402007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重田 眞義 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (80215962)
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研究分担者 |
太田 至 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (60191938)
伊谷 樹一 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教授 (20232382)
荒木 美奈子 京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 研究員(COE) (60303880)
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キーワード | エチオピア / エンセーテ / 生業システム / 持続性 / 在来知識 / ウガンダ / 農業生態学 / バナナ |
研究概要 |
平成17年度の研究課題・目標は、エンセーテ生業システム(Ensete Livelihood System : ELS)の土壌肥沃度や人口支持力などの指標を算定することおよび、類似の生業システムとの比較を視野に入れた環境保全機能の評価であった。エチオピア西南部におけるELSに関して南オモ地域で実施してきた初年度からの調査を継続するとともに、これまでに集積した資料をもとにELSの人口支持力の算定を試みた。実測によって作成したエンセーテ畑の詳細な植生図をもとに、ELSの生産性に関する定量的資料の計測を継続しておこなった。また、調査開始時点での実際の人口密度との比較をおこなうとともに、聞き取りなどの補足資料を用いてELSの今後の変化を予測した。品種の多様性とその維持機構を在来の植物遺伝資源保全のシステムとして利用する可能性に関して、これまでの成果の一部を、8月イスタンブールで開催された第9回国際民族植物学会議において、「ORIGINS AND DYNAMICS OF ENSET LANDRACE DIVERSITIES IN ETHIOPIA : PROMISING CLUES FOR INDIGENOUS CONSERVATION ACTIVITIES」と題して口頭発表をおこなった。エチオピアにおけるELSに類似の生業システムとして、大湖地方周辺(ウガンダ)のガンダ地域における料理用バナナ(マトケ)を基盤とする生業システムを対象として、生業の動態に関する予備的調査を実施し、今後、マトケ生業システムとELSの比較研究をおこない、平成18年度中にウガンダおよびエチオピアの研究者が一同に会して国際ワークショップを開催するための準備をおこなった。また、ウガンダ中北部の高地地域に生育する野生エンセーテの分布と利用に関する民族植物学的調査を実施した。
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