研究課題/領域番号 |
15402009
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学(芸術工学研究院) |
研究代表者 |
西山 徳明 九州大学, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (60243979)
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研究分担者 |
橋爪 紳也 大阪市立大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (90228403)
吉兼 秀夫 阪南大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10301839)
石森 秀三 国立民族学博物館, 民族社会学研究部, 教授 (60099950)
山村 高淑 京都嵯峨芸術大学, 芸術学部, 講師 (60351376)
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キーワード | 文化遺産 / ツーリズム / マネジメント / アジア・太平洋地域 / 持続可能性 / 世界遺産 |
研究概要 |
本年度は、アジア・太平洋における文化遺産マネジメントとツーリズムとの持続可能な関係モデルを構築しうる事例の抽出をおこなった。科研費調査では、河回村(韓国)、平遙古城(中国)、ホイアン、ハノイ旧市街地(ベトナム)、レブカ(フィジー諸島共和国)を、また自主調査によりアンコール地域(カンボジア)、麗江古城(中国)を調査した。調査は、「自国・自治体政府」「開発・管理主体」「ホスト地域(ローカル・コミュニティ)」の3者の分離・融合関係に着目しつつ、国家施策における当該文化遺産の位置づけ、ツーリズムの展開状況および対象とする文化遺産そのものの状況と管理手法に着目した。またすでにユネスコ等の欧米主導による文化遺産管理とツーリズムとの関係構築に関わる既往モデルが適用されている事例では、それらの展開状況も把握した。 また、持続可能なツーリズム開発の手法として注目されているエコミュージアムの先進地域(英国1事例、フランス3事例)およびエコツーリズムの先進地域(ナカブタ・ピレッジツーリズムサイト:フィジー諸島共和国)の調査も合わせて行い、それらの現状と課題を把握した。 研究成果として、文化遺産マネジメントが物的な(有形の)対象に限定されている例が多く、アジア・太平洋の文化遺産を特徴づける無形遺産そのもの、あるいはそれらと有形遺産との関係が生み出している複合的な文化遺産をとらえ、ツーリズム開発の中でマネジメントしていくという視点が欠如していることが分かった。 こうした知見に基づき、改めて日本の文化遺産地域である、白川村荻町地区、沖縄県竹富島、萩市旧城下町地区、太宰府市において先進的に展開しているエコミュージアムやエコツーリズムの理念を応用した文化遺産マネジメントのプログラムについての参与分析を進め、モデル化を行なった。
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