研究課題/領域番号 |
15402010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40055322)
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研究分担者 |
遠藤 貢 東京大学, 大学院・綜合文化研究科, 助教授 (70251311)
井上 一明 慶応大学, 法学部, 教授 (80159970)
セハス モニカ 津田塾大学, 学芸学部, 助手
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キーワード | 民主化 / 複数政党制 / 構造調整 / 選挙 / 南アフリカ / ジンバブウェ / ザンビア / モザンビーク |
研究概要 |
文献の収集とそれによる検討と共に、ザンビア、モザンビーク、南アフリカで現地調査を実施した。南アフリカでは、アパルトヘイト崩壊後も継続する深刻な失業問題と人種間格差に起因する犯罪が多発している。犯罪の多発はアパルトヘイト時代からの政治的暴力の延長であると共に、一般市民が被害者となる犯罪の激増を意味している。しかも女性の社会進出のかたわら、女性の犠牲者も増加しており、民主化後の南アフリカ社会の不安定さを象徴している。 民主化そのものの影響ばかりか、民主化による政権交代後の経済政策による影響がザンビアの場合は深刻である。構造調整により殆どの農民の生活はさらに苦しくなり、政府に対する人々の不満が強まっている。他方、東部農村地帯における調査の結果、次のことが明らかになった。経済自由化は地方都市や国境地帯での経済活動を活発化させ、農民や都市から帰還した人による小規模な商業活動が急速に展開しつつある。 16年間に渡る内戦が1992年に終結し、2004年には3回目の総選挙が予定されているモザンビークは、平和復興の模範的な例として近年賞賛されている。しかし内戦時の対立は根強く存続し、民主化後もその対立はそれぞれを代表する政党間の対立として受け継がれている。この様相について、北部農村地帯で調査を行った。選挙戦の影響は強く、双方の勢力による票獲得のための駆け引きが行われ、対立が煽られている。なお、土地問題をめぐり混乱しているジンバブウェについては、2004年度実施予定の調査に向けて、混乱に至る経緯につき歴史的背景を含めて考察した。
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