研究課題/領域番号 |
15402010
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研究機関 | 津田塾大学 |
研究代表者 |
小倉 充夫 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (40055322)
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研究分担者 |
井上 一明 慶應義塾大学, 法学部, 教授 (80159970)
永原 陽子 東京外国語大学, AA言語文化研究所, 助教授 (90172551)
遠藤 貢 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (70251311)
船田 クラーセン さやか 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (70376812)
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キーワード | 民主化 / 複数政党制 / 選挙 / 歴史教育 / 真実和解委員会 / 南アフリカ / ザンビア / モザンビーク |
研究概要 |
昨年に引き続き南アフリカ、ナミビア、ザンビア、モザンビーク、ジンバブエの「民主化」に関する文献調査、および南アフリカ、ザンビア、モザンビークでの現地調査を行った。南アフリカにおいて従来からの政治的対立の構造がどの様に継続し、かつ変化しているかを明らかにする一助として、1994年、1999年に続いて実施された2004年の選挙をめぐる動向を分析した。また多民族・多人種共存をめざすアパルトヘイト後の南アフリカにおける歴史教育の変化、および「真実和解委員会」とその後継組織の活動を検討した。さらにナミビアにおける植民地選挙をめぐる歴史解釈と補償問題について検討した。歴史をどう教えるかは共存に向けての重要な課題である。「民主化」後のザンビアでも3度の選挙が繰り返され、「民主化」の制度化が進展したかたわら、格差の拡大や腐敗と言う問題が深刻化している。こうした状況をまず検討した上で、憲法改正をめぐる動向について資料収集と聞き取りを行った。なおザンビアでは制度的な民主化が一応進展したとはいえ、社会改革を伴ったとはいえず、経済自由化による都市貧困層や農民の生活水準の低下は人びとの間に不満を強めている。しかし他方で農村工業などの発展がみられ、そのことが都市・農村間関係に及ぼす影響について調査を実施した。モザンビークでは内戦終結後も独立闘争から由来する地域間の対立は継続している。この様相について主に北部農村地帯に注目して考察した。具体的には、モザンビークで2004年に実施された選挙結果とその背景について、資料収集を行い、地域間の相違をもたらした歴史的要因について検討した。反植民地闘争、独立後の内戦を通じて生じてきた対立は選挙を通じて再現されている。土地問題をめぐり混乱したジンバブエについてはその歴史的背景と共に民主化に及ぼす影響について考察し、2005年に実施予定の選挙をめぐる状況について検討した。
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