本研究では、現地での聞き取り・アンケート調査を予定しており、今年度はその準備作業に当てた。国内においては、数回にわたる打ち合わせ会を実施し、アンケートの構造を定めた。また、アンケートの個別項目(案)を作成し、クマーラはスリランカ用シンハラ語版、牛田はニカラグア用スペイン語版(翻訳を含む)を担当した。 当初は2名ともスリランカ及びニカラグアを訪問し聞き取り調査を行う予定だったが、予算の制約上、各自一国ずつの訪問を実施する結果となった。 <スリランカ現地調査>クマーラが2003年8月2日から9月8日までの間スリランカを訪問し、ケラニヤ大学のガーミニ博士、北西州クルネーガラ市での州政府責任者(州知事、事務次官、農業大臣、州政府ワヤンバ開発公社事務次官、ワヤンバ職業訓練校所長及び研修担当者などを対象に聞き取り調査を行った。また、北西州の5つの村を訪問し、日本のNGOによる職業訓練研修の参加者を対象に聞き取り調査を行った。職業訓練校の責任者及び研修生から意見を聴取し、アンケートの最終版(スリランカ用)を仕上げた。 <ニカラグア現地調査>牛田は2003年8月11から30日にかけ、ニカラグアの首都マナグア市、レオン市、エステリ市に滞在し、教育省、国立技術教育庁、UNDP・EU・UNICEF・UNESCO・JICA・GTZ(ドイツ技術協力公社)・USAID(米国国際開発庁)・IDB(米州開発銀行)のニカラグア事務所、FUNDECI(ニカラグア共同体総合開発基金)、CANTERA(民衆教育コミュニケーションセンター)、ヒノテペ工芸専門学校、ラ・ボルゴーニヤ農業技術教育センター、チナンデガ農業技術教育センターを訪問し、国際協力プロジェクトの概要ならびに教育現場における実践的成果に関する聞き取り調査および資料収集を行った。 来年度のアンケート調査実施に向けた協力者確保という点でも、本格的調査のための基盤固めという今年度の目標は概ね達成できたと言える。
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