研究課題/領域番号 |
15402012
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
西村 幸次郎 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (40063739)
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研究分担者 |
王 雲海 一橋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30240568)
佐々木 信彰 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30145768)
小林 正典 和光大学, 人間関係学部, 助教授 (80366955)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 中国 / 民族自治地方の立法権 / 民族区域自治法の実施法 / 国家法と民族慣習法 / 民族裁判 / 西部大開発と民族経済 / 民族教育法 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
北京、青海、内蒙古、四川、上海、貴州、雲南、新疆、広東、広西の各地を訪問、少数民族地域を視察し、大学・政府の関係機関において、研究者、裁判官、検察官、弁護士などの専門家と交流を行った。その成果の一部は次の通りである。 中国は漢族と55の少数民族によって構成されており、それぞれの民族はそれ自身の慣習法を有するが、それらは少数民族居住地域において国家の刑事法に対する優越性をなお強く保持している。特に、チベット族の「賠命價・賠血價」(刑事事件を物質的補償により処理する)において顕著である。 「中華民族の多元一体論」が提唱され、中国語の普及を初めとして全般に漢族化が進行している中、各少数民族は自らの伝統文化を保持・継承するためにさまざまな努力をしているが、「双語」教育による民族の言語文字の習得が急務の課題である。 2005年5月に「民族区域自治法」の幾つかの関連条文が具体的に改正され、特に、より多くの人々が多少は豊かさを実感できるような調和のとれた社会を形成することを開発の目的とするが、それはUNDPの人間の開発を反映している。しかし、民族区域自治の自治権の中で最も重要な立法自治権を見ると、その実現には多くの障害があり、その背景には中央と地方の関係、諸民族の交錯集居、自然資源の国有、開発能力等の問題がある。 1999年以来、提唱・実施されている「西部大開発」に対して、大きな期待が寄せられているが、民族生態環境に対する影響が心配されている。草原の砂漠化防止・緑化のための退耕還林・退牧還草の効果が期待されるともに、ダム建設等の開発に伴う移民の格差問題の解決を迫られている。
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