研究課題/領域番号 |
15402019
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
白石 隆 政策研究大学院大学, 政策研究科, 教授 (40092241)
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研究分担者 |
ハウ キャロライン シー 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (70314268)
水野 廣祐 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (30283659)
濱下 武志 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (90126368)
アビナーレス パトリシオ 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (60314267)
鳥居 高 明治大学, 商学部, 助教授 (70298040)
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キーワード | 中産階級 / 東アジア / 地域主義 / 華人 / ネットワーク / 中国化 / 日本化 / アメリカ化 |
研究概要 |
1980年代半ば以降、東アジアでは地域的な経済発展がおこった。その結果、東アジア諸国間の経済的相互依存が拡大・深化し、企業ネットワークの拡大・深化とともに、事実上の地域的経済統合が進展したことはよく知られている。しかし、それと並んでもうひとつ重要なことは、こうした地域的な経済発展の結果として、日本に続いて、韓国、台湾、香港、シンガポールで1980年代に中産階級社会が成立し、1990年代にはタイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンで、ついで今日では上海、広州などの中国沿海の都市で中産階級が台頭しつつあることである。本研究においてはこうした中産階級社会の成立に伴う政治・社会・文化の変化を多面的に明らかにすることを目的とした。 本年度はこうした目的を踏まえ、主として政治的、文化的なentrepreneurshipに注目して中国、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイなどにおいて、各研究分担者がテーマに沿って現地調査を行い、研究発表を行った。 本年度に発表された研究成果としては以下を挙げることができる。東アジアにおける地域形成と中産階級の台頭、その意義については、白石がBeyond Japan : Dynamics of East Asian Regionalism(Peter Katzensteinとの編著)の中で議論を行った。鳥居とアビナーレスは中産階級の台頭が主にマレーシアとフィリピンの国内政治体制に与えるインパクトについて検討、ハウは華人のアイデンティティが歴史的にどのように形成され、変化してきたのかをマニラ、ジャカルタ、バンコクの華人コミュニティーを対象に検証した。また濱下は新華僑の登場と東アジアの地域化の関連について、水野は中産階級の台頭がインドネシアの労使関係にどのような影響を及ぼしているのかについて検討を行った。
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