研究概要 |
本研究は、中国における市場経済発展の過程において社会経済がどのように変動しているか、大衆消費社会がどのように形成されているか等について、経済水準の異なる都市で消費者の生活や意識行動の調査を行い、中国における大衆消費社会の形成過程を解明するための2年間の調査研究である。 今年度は最終年度であり、初年度の研究調査に続き、今年度は研究計画とおりに定量的研究、定性的研究のための調査を実施した。定量的調査研究は、北京市(300世帯)、上海市(300世帯)、広州市(300世帯)、重慶市(300世帯)、武漢市(200世帯)、石家荘市(200世帯)、瀋陽市(200世帯)、承徳市(200世帯)8都市で調査を実施した。定性的調査研究は、北京市、上海市、広州市、重慶市、瀋陽市5都市で計200世帯に対し調査を行った。回収率は約99%で、広範囲にわたって質の高い調査結果が得られた。アメリカの大学の研究者との合同研究会を開き、国際的な協力を得て、調査現地に入り,現地の統計局、調査機関との交渉、調査員に対する専門的な調査知識の教育、調査実施過程の状況観察など綿密的な調査を行った。調査終了後,回収した質問票は現地で集計し、回収した原票と入力したデータを日本に持ち帰り、分析を進めてきた。すでに、幾つかの研究報告や論文をまとめ、日本国内国際学会や国際シンポジューム、Proceedings of the American Council on Consumer Interests(ACCI)、Asian Consumer and Family Economics Association(ACFEA)、『日本消費者教育学会誌』や『東亜経済研究』等の雑誌に発表した。このほかに現在審査中のものもある。
|