研究概要 |
本研究は、日米欧APECの代表的なIT集積地を対象に、比較国際経済・技術地政論・経済社会論及び比較制度論を下敷きとした学際的アプローチをベースに、現地踏査,経年観測,重層的アンケート・インタビュー,資料発掘・収集等のアプローチにより、 (1)ITの特異的性質に対する社会経済体質のリスポンス(インスティテューショナル・リスポンス) (2)インスティテューショナル・リスポンスと社会経済の基本体質 (3)IT革命に対する柔軟性,社会経済体質のリスポンス,社会経済の基本体質の間の循環構造 (4)循環構造支配要因のインパクトについての総合的・計量的分析による検証 を行うことを目的とする。 研究の2年目にあたる本年度は、資料発掘・収集フェーズとして以下の研究活動を行った。 第一に、昨年度に日米欧APECの代表的なIT集積地について確立した海外共同研究者との共同研究ネットワークを利用して、社会経済体質のリスポンス(インスティテューショナル・リスポンス)を計測する指標を構築するための既存資料・統計等の収集を行った。 第二に、ITの特異的性質に対するインスティテユーショナル・リスポンスの計測に関して、特に(1)変化に対する迅速な対応、(2)組織等の融通性、相互啓発生、(3)社会全体としての変革意識、(4)変化や異なる社会経済体質への適応、(5)創造性・企業家精神の高さ、等の点に着目して、日米欧印中の五カ所のIT集積地について、各地の専門家との協力のもとに「事例探索的分析」を行った。 第三に、IIASA(国際応用システム分析研究所:在ウィーン)において海外共同研究者を一同に会した研究打合せを実施し、上記の資料発掘の結果に基づいて、来年度以降に行う比較分析について検討を行った。
|