研究課題/領域番号 |
15402038
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
佐久間 孝正 立教大学, 社会学部, 教授 (80004117)
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研究分担者 |
阿部 珠理 立教大学, 社会学部, 教授 (50184213)
水上 徹男 立教大学, 社会学部, 助教授 (70239226)
舛谷 鋭 立教大学, 社会学部, 助教授 (90277806)
田房 由起子 立教大学, 社会学部, 助手 (20350291)
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キーワード | 日系南米人 / インディアン市民権法 / 母語教育 / 現地補習校 / 市民権 / 国際アジア歴史者会議 / ベトナム系コミュニティ / エスニシティ |
研究概要 |
本年度は、当研究の中間に相当する年なので、それぞれの課題を具体的に明らかにすることを主眼とした。佐久間は、日系南米人の子どもの教育に焦点を合わせて、日本から帰国した子どもがペルー、ブラジルでどのような問題に直面しているかを、帰国児童・生徒を受け入れている当地の学校5校を直接訪問調査し、日本の学校に対する評価や母語教育、日本語保持教育、現地学習塾への出席状況、その他教育システムの違いがもたらす具体的な問題について研究を継続している。阿部は、1924年のインディアン市民権法がいかなる経緯で法制上完備され、それが主流社会アメリカへの同化にどのような役割を果していったのか、その場合の基準はどうだったのか、当時の部族たちの市民権獲得に関する意思の有無等を直接現地アメリカに赴き、これまた精力的に解明を試みている。水上は、シンガポールの日本人学校や商工会議所を訪問し、日本人コミュニティ並びに現地補習校やインターナショナル校の教育の特徴、今後の動向に関して精査を試みている。舛谷は、マレーシアやインドネシアを訪問し、マラヤ大学東アジア学部並びに中国研究学部で資料の収集、華人を中心とした人の移動の調査、並びに研究員との打ち合わせを行なった。また台湾の国際アジア歴史者会議では、発表も行なった。田房は、オーストラリアのブリスベーン及びシドニー郊外のベトナム系コミュニティの調査を継続中で、コミュニティ内部の他のエスニシティとの比較を通して、ベトナム系の特徴を明らかにしている。他にアメリカのベトナム難民との比較研究も継続中である。われわれの研究対象も、いよいよアジア環太平洋を中心とした人の移動や先住民を中心とした問題に収斂してきており、次年度にはこれまでの蓄積を踏まえて、彼/彼女ら外国人の諸権利充足度の比較を市民権の国際比較という観点からまとめていきたい。
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