研究課題/領域番号 |
15402047
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
教育社会学
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研究機関 | 国立教育政策研究所 |
研究代表者 |
永田 佳之 国立教育政策研究所, 国際研究協力部, 総括研究官 (20280513)
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研究分担者 |
山西 優二 早稲田大学, 文学部, 教授 (50210498)
菊地 栄治 早稲田大学, 教育総合科学学術院, 助教授 (10211872)
澤野 由紀子 聖心女子大学, 文学部, 助教授 (40280515)
深堀 聡子 京都女子大学, 短期大学部, 講師 (40361638)
梶間 みどり 佐賀大学, 高等教育開発センター, 講師 (20380785)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2005
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キーワード | 公設民営 / オルタナティブ教育 / スクール・アセスメント / シュタイナー学校 / Steiner education |
研究概要 |
本研究で対象となった各々の社会には「豊かさ」への萌芽が見出される。ラディカルな教育改革をひとたび経た国においては、もう一つの「豊かさ」への新たな模索がはじまっている。とくに同一社会内での顕著な格差を生じさせないような質保証(QA)などの工夫は注目に値する。QAについてはスウェーデンやニュージーランドの経験から得られる示唆は少なくない。 オーストラリアはオルタナティブ・スクールと行政の間で係争が見られるなど、さまざまな問題を抱えているが、公設シュタイナー学校の運営が複数校で実現されるなど、興味深い「実験」が進行中の社会でもある。 アジア諸国に目を向けると、「公設民営」のさまざまなあり方が模索されているものの、課題は少なくない。そこには韓国のガンディー学校や台湾の自主学習実験計画の係争事例に見られるように多様な「豊かさ」に向けた営みが拮抗対立している様相すら見受けられる。日本については、川崎市の子どもの権利条例のように、豊かな教育社会の基盤となり得る条例に拠る実践が見られる一方で、そのような実践も効率重視の改革に絡めとられる陥穽も生まれつつある。 以上のような各論とは別に、複数の教育社会を横断するような共通テーマも見出すことができる。大半の論考で問われているのが、「公」と「民」との関係性、とくに「公」は何を保障し、「民」はいかなる公共性を具現化するべきなのかというテーマ、または「公」と「民」の協働のあり方というテーマである。一例であるが、ニューヨーク州では「官民の豊かな連携」が見られるなど、学ぶべき点は少なくない。また、学校評価について、ニュージーランドの教育評価局(ERO)による従来の評価活動のあり方に対する批判から生まれた「後援者」制度などの工夫からも具体的な協働のあり方を学ぶことができる。
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