研究概要 |
宇宙線の起源,加速機構,伝播を研究するために1.高エネルギー一次宇宙線(10^<13>〜10^<17>eV,knee領域)の化学的組成と加速機構の解明 2.ガンマ線点源の探索及び拡散ガンマ線の強度分布(10^<13>〜10^<15>eV) 3.一次宇宙線の恒星時異方性に関し,その現象の確立とモデルの検証(10^<11>〜10^<13>eV) 4.太陽フレア時の粒子加速機構の解明をインド国立タタ基礎研究所と南インドウーティーで国際共同研究を行っている。 本年度は主にデータの蓄積に努めた。その結果は現在解析中である。成果の一部は8月に筑波で開かれた第28回宇宙線国際会議で報告した。ここで報告した成果の内,拡散ガンマ線の強度としては100TeV前後で最も厳しい制限を設けるものであった。また,太陽表面で大規模な爆発に伴い宇宙線強度変化が減少する現象に関してはその前兆現象が起きていることを確実なものにした。 また,装置の拡張のために新たに2本の光電子増倍管を使い,WLSファイバーを用いたシンチレーション検出器を試作し,その性能チェックを行った。その結果,既存のものよりもdynamic rangeを20〜30倍広げることに成功した。また,位置に対する応答の一様性も改善することができた。この結果に基づいて25台のシンチレーション検出器を製作し(一部は光電子増倍管を1本使用),その運用を開始した。これにより有効面積が約15%増加した。
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