研究概要 |
宇宙線の起源,加速機構,伝播を研究するために 1.高エネルギー一次宇宙線(10^<13>〜10^<17>eV, knee領域)の化学的組成と加速機構の解明 2.ガンマ線点源の探索及び拡散ガンマ線の強度分布(10^<13>〜10^<15>eV) 3.一次宇宙線の恒星時異方性に関し,その現象の確立とモデルの検証(10^<11>〜10^<13>eV) 4.太陽フレア時の粒子加速機構の解明 をインド国立タタ基礎科学研究所と南インド・ウーティーで国際共同研究を行っている。本年度は主にデータの蓄積に努めた。昨年度に引き続き増設したシンチレーション検出器を加えて現在約290台で運転しており,データ頻度は約26Hzである。データ量は圧縮して1日に約3GBになるのでDVDに書き込み現地で保管・解析すると共に随時日本に送っている。その結果は現在解析中である。これらの成果は8月にインドで開かれる第29回宇宙線国際会議で報告すべく,取りまとめ中である。 また,ガンマ線点源探索にもっとも重要な到来方向をより精度よく求めるために,時間差測定器(TDC)を開発した。性能としては,時間分解能は約0.52nsec,変動は10^<-5>以下になっていることを確認した。96台分製作し,データ収集装置に組み込んだ。加えて常時信号の遅れをモニターするための回路を120台のシンチレーション検出器に取り付け,運転している。そのことにより到来方向の測定精度がNe=10^5のシャワーで約0.5度向上していることを確認した。
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