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2003 年度 実績報告書

永久凍土中に存在するメタンガスの成因と地球温暖化への影響

研究課題

研究課題/領域番号 15403009
研究機関北海道大学

研究代表者

BROUCHKOV Anatoli  北海道大学, 総合博物館, 教授 (80333649)

研究分担者 福田 正己  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
キーワード永久凍土 / シベリア / アラスカ / メタンガス / 地球温暖化 / 森林火災 / ツンドラ / タイガ
研究概要

地球の温暖化を加速させるメタンガスの発生源である永久凍土の融解についての現地観測を、アラスカ・フェアバンクス・バーロー及びシベリアレナ川流域で実施した。シベリアでの観測では約120の凍土を採取し、そこに含まれるメタンガス濃度を測定した。その結果場所によっては濃度が1000ppmを超えていた。しかし、森林が火災などで攪乱された跡地では凍土中のメタンガス濃度は低下していた。凍土の融解で形成される湿原(アラス)では、チャンバー法によって地上からのメタンガスフラックスを測定した。形成後数十年経過した地点では300mg/m2/dayの高い値を検出した。これは日本の湖沼からの発生の数倍に等しい。アラスカのフェアバンクス盆地は最終氷期には氷床に覆われなかったために、東シベリアと類似した性質を有する永久凍土が形成され、地下氷の集積も著しい。そこで永久凍土に穿たれたトンネル内に露出する地下氷の採取を行い、メタンガス濃度を測定した。その結果、14000ppmにも達する高濃度のメタンガスを検出した。形成条件を確認するため、現地で採取した試料を用いて、メタン生成菌の培養実験を行った。また濃縮されたメタンガスを用いて炭素同位体による年代測定を試みた。アラスカ及び東シベリアの永久凍土に含まれるメタンガスの濃度等では相互に類似しており、生成の時期もほぼ同じであったことが示唆された。永久凍土内のメタンガスの集積は、過去から現在に至るまで地中の嫌気的環境で継続し、発生フラックスは少ないものの現象の継続時間が十分ながく、結果として永久凍土中に高濃度のメタンガスが集積したものと推察される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Brouchkov, M.FUKUDA: "Comparison of Methane Content in Upper Permafrost of Eastern Siberia and Alaska"Eos.Trans.AGU, 84(46), Fall Meet.Suppl., Abstract C21B-081. (2003)

  • [文献書誌] A.Brouchkov, Fukuda M., Fedorov A., Konstantinov P., Iwahana G.: "Thermokarst as a Short-term Permafrost Disturbance, (2004)Central Yakutia"Thermokarst as a Short-term Permafrost Disturbance, (2004)Central Yakutia. 15. (2004)

  • [文献書誌] A.Brouchkov, Fukuda M., Tomita F., Asano K., Tanaka M: "Living microorganisms in Siberian permafrost and gas emission at low temperatures"Extended abstracts of of 8th International Conference on Permafrost. 13-14 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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