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2004 年度 実績報告書

永久凍土中に存在するメタンガスの成因と地球温暖化への影響

研究課題

研究課題/領域番号 15403009
研究機関北海道大学

研究代表者

BROUCHKOV Anatoli  北海道大学, 総合博物館, 教授 (80333649)

研究分担者 福田 正己  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
キーワード永久凍土 / シベリア / アラスカ / メタンガス / 地球温暖化 / メタン生成菌 / 低温適応 / 大規模融解
研究概要

永久凍土は北半球の陸地の約20%を占めており、そこには過去に生成された大量のメタンガスが貯留されている。シベリア及びアラスカの現地観測の結果、永久凍土上層部には平均で約1000ppmのメタンガスが気泡中に存在することを確認した。東シベリア地域で永久凍土中のメタンガス濃度の低い地域が存在するが、そこは最終氷期以降に永久凍土融解履歴によって、既にメタンガスが放出されたためである。永久凍土中のメタンガス濃縮生成には、そこに存在するメタン生成菌による長期継続した生成作用の結果である。レナ川支流のアルダン川河畔マンモス崖において永久凍土中からメタン生成菌の抽出に成功した。実験室での培養結果から、-5℃でもメタン生成する低温適応性があることが確認された。このメタン生成菌の16SrRNA遺伝子分析から、従来報告されていないタイプの新種であることも確認できた。現在の温暖化による永久凍土からのメタンガス放出量について、融解に伴う放出と融解後に形成された湖沼からのメタン生成に分けてフラックスを推定した。融解しつつある永久凍土からは、東シベリアの中央ヤクーチア地域で、年間20万トンであった。また北極海沿岸での永久凍土融解による海岸浸食では年間100万トンに達する。融解後に広範囲に形成されている湖沼でのメタン生成速度は夏季には300mg/m^2・dayであった。5月から8月までの総放出量は約100万トンにも達する。こうした大量のメタンガス放出は、地球温暖化を加速させる懸念が指摘される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Methane content in permafrost as indicator of freezing-thawing history.2005

    • 著者名/発表者名
      Brouchkov A., Fukuda M., Romanovsky E., Yoshikawa K.
    • 雑誌名

      Geophysical Research Letters (印刷中)

  • [雑誌論文] Isolation of Bacteria from the Ancient Permafrost Deposits in Eastern Siberia.2005

    • 著者名/発表者名
      A.Brouchkov, M.Utsumi, K.Asano, M.Tanaka, M.Fukuda, F.Tomita
    • 雑誌名

      Polar record (印刷中)

  • [雑誌論文] Thermal Conductivity of Soils in the Active Layer of Eastern Siberia.2005

    • 著者名/発表者名
      Brouchkov A., Fukuda M., Konstantinov P., Kobayashi Y., Iwahana G.
    • 雑誌名

      Permafrost and Periglac.Process. 16(印刷中)

  • [雑誌論文] Experimental study of influence of mechanical properties of soil on frost heaving forces.2004

    • 著者名/発表者名
      A.Brouchkov
    • 雑誌名

      Journal of Glaciology and Geocryology 26

      ページ: 26-34

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Pipelines on Permafrost.2004

    • 著者名/発表者名
      A.Brouchkov
    • 雑誌名

      Japanese Society of Snow and Ice Journal 66(2)

      ページ: 241-249

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Thermokarst as a Short-term Permafrost Disturbance, Central Yakutia.2004

    • 著者名/発表者名
      Brouchkov A., Fukuda M., Fedorov A., Konstantinov P., Iwahana G.
    • 雑誌名

      Permafrost and Periglac.Process. 15

      ページ: 81-87

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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