研究課題/領域番号 |
15403010
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柴田 隆 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70167443)
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研究分担者 |
藤原 玄夫 福岡大学, 理学部, 教授 (80037217)
松永 捷司 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (60022729)
岩坂 泰信 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (20022709)
白石 浩一 福岡大学, 理学部, 助手 (80299536)
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キーワード | PSC / 極成層圏雲 / ライダー / OPC / 北極 / 成層圏 |
研究概要 |
本年度は11月下旬から1月上旬にかけて、ニーオルスン(北緯;79度、東経12度)においてライダー観測を実施した。また、12月下旬に気球搭載OPC(光学粒子係数装置)による観測を実施し、ライダーと同時に観測データを得ることができた。 観測体制は11月下旬に2名がまず現地に赴き、1週間滞在してライダー装置の受信信号処理システムを最新のものに変更した。この改良により、従来に比べて、より低ノイズで信号を取得することが可能になった。結果として、観測精度が向上した。このシステムは本研究のために本年度新たに開発したものである。当初の2名と交代で12月はじめに3名が現地に入り、1月上旬までライダー観測とOPC観測を行った。ライダー観測では、波長532nmと1064nmの2波長の後方散乱係数と532nmにおける偏光解消度を観測した。OPCはPSCが発生しはじめた12月下旬に、OPCを搭載した気球をドイツ極地研の協力で放球し、ライダーとOPCによるPSCの同時観測を実施した。 本年度冬季の北極域成層圏は12月下旬から2月中旬にかけて、極渦が発達し、渦内では極成層圏雲(PSC)が発生可能な程度の低温な状態が持続した。特に12月下旬は温度が低下して、上述のようにPSCが生成し始める状況となり、本研究には絶好の観測状況が出現した。特に12月下旬後半には「サンドイッチ鉛直構造」のPSCが現れ、典型的な北極PSCの発達を示した。OPCによる観測はちょうどこの構造が現れ始める絶好のタイミングで行われた。観測結果は現在鋭意解析中である。
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