研究課題/領域番号 |
15403010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
柴田 隆 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (70167443)
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研究分担者 |
藤原 玄夫 福岡大学, 理学部, 教授 (80037217)
松永 捷司 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (60022729)
岩坂 泰信 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (20022709)
白石 浩一 福岡大学, 理学部, 助手 (80299536)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | PSC / 極成層圏雲 / ライダー / OPC / 北極 / 成層圏 |
研究概要 |
平成15年度は冬季成層圏の温度が低下し始める12月上旬から1月下旬にかけて、ニーオルスン(北緯79度、東経12度)にてライダー観測を実施した。また同時に気球搭載OPC(光学粒子係数装置)を準備し、ライダー観測結果を見ながら、12月下旬と1月中旬に2回放球して成層圏の観測に成功した。 12月から1月にかけて成層圏の温度は、通常のPSCが生成するような温度まで低下せず、気温195K以下で現れるようなPSCは観測されなかった。しかしながら、12月の観測開始当初から高度35km付近に偏光解消度の極大(固体粒子の層)が現れているのが観測された。同様の層は2000/2001年冬季にも観測されている。この層の発生源は、候補としてロケット噴射物や隕石などが挙げられているが、まだ特定されていない。固体粒子の径は比較的小さい(0.05ミクロン程度)と推定されている。このような小粒径の固体粒子は固体PSCが生成する際の生成核となりうることが指摘されており、本研究課題の達成に極めて有用なデータが得られた。 平成16年度は11月下旬から1月上旬にかけて、ニーオルスンにおいてライダー観測を実施した。また、12月下旬に気球搭載OPC(光学粒子係数装置)による観測を実施し、ライダーと同時に観測データを得ることができた。 観測体制は11月下旬にライダー装置の受信信号処理システムを最新のものに変更した。この改良により、従来に比べて、より低ノイズで信号を取得することが可能になった。 平成16度冬季の北極域成層圏は12月下旬から2月中旬にかけて、極渦が発達し、渦内では極成層圏雲(PSC)が発生可能な程度の低温な状態が持続した。特に12月下旬は温度が低下してPSCが生成し始める状況となり、本研究には絶好の観測状況であった。この間に得られたデータはPSCの発生状況を克明に捉えており、現在鋭意解析中である。
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