研究課題/領域番号 |
15403013
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
久田 健一郎 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (50156585)
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研究分担者 |
荒井 章司 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20107684)
上野 勝美 福岡大学, 理学部, 助教授 (90241786)
鎌田 祥仁 山口大学, 理学部, 助手 (30294622)
原 英俊 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 研究員 (60357811)
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キーワード | インドシナ / シブマス / 縫合断層 / 石灰岩 / フズリナ / チャート / タイ / ラオス |
研究概要 |
今年度は3回の海外学術調査と1回の国内ワークショップを実施した。第1回目は平成16年4月23日から5月6日に、2班(上野班と久田班)に分けて調査を行った。上野班はプーケット・ピーピー島周辺においてペルム系ケンクラチャン層群がラブリ石灰岩に整合的に覆われる関係を見いだした。この観察は、今後シブマスの古生代後期の古地理を考察する上で極めて重要である。なぜならケンクラチャン層群は氷河性ドロップストーンを含む堆積物であり、またラブリ石灰岩は低緯度の陸棚性礁堆積物とみなされるからである。すなわち、この整合関係はシブマスのテーチス北上を示唆するものであろう。久田班はロエー周辺においてロエー縫合断層帯から泥質片岩の産出を確認した。この泥質片岩は玄武岩やチャートと比較的密接な関係で産出することから、全体が古生代後期オフィオライトを形成している可能性があることを見いだした。現在微化石を抽出する作業を行っており、まもなく詳細が明らかになるものと思われる。なおこのオフィオライトは北方のラオスに延長することから、インドシナ周辺の広域テクトニクスを考察する上で、重要な構造ユニットになるであろう。10月には2日間にわたって、タイ王国の二人の研究協力者を交えて、筑波大学においてワークショップ(中間報告会)を開催した。とりわけタイにおけるチャート相の時間的変遷と分布が明らかにされ、3つの構造帯が提唱されたことは注目される。これは従来提唱されてきた構造帯を整理統合したものであり、古生代の古地理を考察する上で貴重な資料になるであろう。第2回目の海外調査は2月9日から14日にかけてタイ王国チュラロンコン大学において今後の研究方針の検討を実施した。今後の方針としてシブマスとインドシナの古緯度に関する研究を推進すること確認した。第3回の海外調査は3月13日から26日にかけて実施する予定である。
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