研究課題/領域番号 |
15403015
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
兵頭 政幸 神戸大学, 内海域環境教育研究センター, 教授 (60183919)
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研究分担者 |
佐藤 裕司 兵庫県立大学, 自然・環境研究所, 教授 (80254457)
松浦 秀治 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (90141986)
近藤 恵 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助手 (40302997)
熊井 久雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 客員教授 (40020680)
山下 勝行 岡山大学, 地球物質科学研究センター, 助教授 (50322201)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2006
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キーワード | 古環境 / 鮮新世・更新世 / ジャワ / 原人 / 環境磁気 / 古地磁気 / 第四紀 |
研究概要 |
ジャワ原人はアフリカ以外の地への人類拡散の問題で重要な位置を占める。しかし、その年代に関してはいまだに論争が続いている。本研究では、ジャワの古環境を復元し原人の出現・進化との関係を調べるだけでなく、原人の年代論への貢献も視野に入れて、新たな古地磁気手法の開発と適用も試みた。主な成果は以下のとおりである。 (1)中部ジャワ・サンギランのPucangan(Sangiran)層の黒色粘土層に対して環境磁気学的手法を初めて試みた。その結果、最古の原人化石産出層ふきんで強磁性鉱物の種類・量を変える大きな環境変化があることが分かり、この方法が有効であることが分かった。 (2)サンギラン堆積物は花粉と珪藻の化石含有率がきわめて低く詳細な古環境復元は困難であるが、Pucangan(Sangiran)層の一部の堆積物は珪藻分析が可能であることがわかった。 (3)サンギランの磁気層序データは、オルドバイ上限付近に短期逆転を頻発する地磁気擾乱があったことを示唆していることが分かった。これを中国Baojiのレスの詳細古地磁気測定によって少なくとも東アジアをカバーする地磁気現象であることを実証した。これにより、Hyodoetal.(1992;1993;2002)のサンギランの磁気層序の正確さが検証できた。 (4)大阪湾1700mボーリングコアを使って78万年前のMatuyama-Brunhes地磁気逆転の詳細磁場復元を行い、4回の短期逆転を伴うことを見つけた。これを元に、サンギランのKabuh(Bapang)層上部のMatuyama-Brunhes地磁気逆転境界付近の詳細な磁場変化を復元し、3回の短期逆転(エクスカーション)を見つけた。この発見によって、Matuyama-Brunbes地磁気逆転境界の磁場変動の特徴を使い、磁気層序の精度を上げる手法のめどがついた。
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