研究課題
本研究はヒマラヤ水系における大規模土砂災害の発生機構と総合防災対策に関するものである。研究対象は、ネパール国の防災システムならびにネパールの主要国道沿いの土砂災害地である。ヒマラヤ水系は世界でもっとも激しい造山帯であり、険しい地形が形成されている。そのため、土砂災害が頻発しており、本研究の成果はヒマラヤ水系の土砂災害対策に大いに活用できる。本研究では、まず、発展途上国であるネパールの土砂災害に対する総合防災システムを提案し、試行的に実践した。総合防災システムは、小中学校での防災教育、技術者向け防災教育ネットワーク、大学院レベルでの防災研究ネットワークの構築、マスメディアによる防災教育の実施など、小学生から一般市民に至るまでの全国民を対象としたものである。学校教育やマスメディア(ネパール国営放送と防災啓蒙活動実施に関しての連携協定を締結)を通しての防災啓蒙を実践し、ネパール政府から大いに評価されている。また、主要大学にネパールの土砂災害研究ネットワークの構築するとともに、政府と連携して防災対策マニュアルの作成までも検討した。今後、これを更に発展させたい。調査フィールドしては、カトマンズからインドに至る主要国道沿いの大規模土砂災害地であり、これらの機構解明を行うとともにハザードマップの作成を行った。研究成果は161頁からなる「Landslide hazard mapping along major highways of Nepal」として刊行されている。またホームページにアップされている。この成果に対して、ネパール国道路局長から感謝状を2005年11月に授与されている。以上のように、本研究は学術面だけでなく、実用的にも高い評価をネパール政府から受けている。
すべて 2006 2005
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a journal of International Union of Geological Sciences (In press)
Proc.International Conference on Disaster Management
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Ehime University. & Nepal Engineering College
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自然災害科学 Vol.24、No.2
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