東南アジア地域における農工融合型物質・エネルギー代謝モデル構築のための調査

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15404023
• 研究機関: 東京農工大学
• 研究代表者: 堀尾 正靭 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 教授 (40109301)
• 研究分担者: 豊田 隆 東京農工大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00142836) ; 千賀 裕太郎 東京農工大学, 農学部, 教授 (90142231) ; 野田 玲治 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助手 (70303708) ; 亀山 秀雄 東京農工大学, 工学部, 教授 (10114448) ; 澁澤 栄 東京農工大学, 農学部, 教授 (50149465)
• キーワード: バイオマス / 廃棄物 / エネルギー変換技術 / 地域活性化 / 環境汚染 / ビジネスモデル

研究概要

東南アジアにおけるバイオマス利用社会のシナリオを構築するために、今年度は、インドネシアを中心に未利用バイオマス賦存量、発生量、発生形態等についての現地調査ならびに未利用バイオマス資源の適正変換技術についての検討を行った。調査は、ジョクジャカルタの環境NPOデアン・デサ(アントン・スジャルオ代表)に一部を委託したほか、インドネシア政府技術普及・移転研究所(BPPT)、パームオイル研究所(PPKS)の協力を得て、メダンのパームオイル研究所の施設、プランテーションおよびパームオイル精製工場の現地視察を行った(これらの活動は堀尾、馬奈木、野田、田中の四人で行った)。さらに、タイ(豊田)、中国(細見)、マレーシア(堀尾)についても現地視察を行った。堀尾・野田は、アジアにおける適正技術として、低廉な廃建築資材(レンガ・瓦)をタール分解触媒として利用するバイオマスの循環流動層スチームガス化技術を提案し、その実現のために必要な実験を進めた。この新しい概念に基づいて、インドネシアで循環流動層ガス化装置による実証実験を行うこととなり、堀尾、野田がこれを支援することとなった。このほか、千賀と柏は、農業と農村社会の未来像開拓のためヨーロッパにおける農村活動の現地視察を行った。さらに、渋沢、亀山はそれぞれの専門分野から、バイオマス生産および利用技術についての研究を進めた。これら全体を通じて、本研究の基本的パースペクティブを展開できた。

研究成果

• [文献書誌] 堀尾正靭: "バイオマスエネルギーロードマップ"化学工学会編,最近の化学工学・21世紀の循環型社会を支えるエネルギー化学工学,化学工業社. 28-35 (2003)
• [文献書誌] 千賀裕太郎: "現代的コモンズとしての水資源マネジメント"山崎農業研究所編,21世紀水危機-農からの発想. 234-247 (2003)
• [文献書誌] Shibusawa, S., S.W.I Made, C.Hache, A.Sasao, S.Hirako: "Site-specific Crop Response to temporal Trend of Soil Variability Determined by the Real-time Soil Spectrophotometer"Precision Agriculture, Ed.J.Stafford and A.Werner, Wageningen Academic Publishers. 639-643 (2003)
• [文献書誌] Guo, Y, M, Sakurai, H.Karneyama, A.Matsuyama, Y.Kudoh: "Preparetion of Alumite Support and Preliminary Activity Investigation for NO Removal in SCR=HC over Alumite Catalyst"J.Chem.Eng.Jpn.. 36・12. 1470-1479 (2003)
• [文献書誌] 豊田 隆: "農業政策(国際公共政策叢書)"日本経済評論社. 211 (2003)
• [文献書誌] 佐原雄二, 細見正明: "メダカとヨシ"岩波書店. 186 (2003)
• [文献書誌] 村田 武, 柏 雅之: "21世紀の農業・農村 第1巻 再編下の世界農業市場"筑波書房. 208 (2004)