研究課題/領域番号 |
15404026
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
六川 修一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50183710)
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研究分担者 |
津 宏治 資源環境観測解析センター, 理事(研究職)
加藤 俶史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50010989)
金田 博彰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10092181)
大久保 泰邦 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (70356624)
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キーワード | リモートセンシング / チャオプラヤデルタ / マングローブ / 沿岸環境保全 / ストラテジー / 植生図 / 画像解析 / 洛南河口域 |
研究概要 |
アジアのデルタ地帯では、タイのバンコクおよびその周辺域に代表されるような海岸浸食、地盤沈下、エビ養殖場の廃棄、それに伴う低地の塩水化等によって経済学的にも、社会学にも深刻な影響が現れている。この様な問題は、アジアの代表的河川においても顕著で、問題解決への足がかりが求められている。本研究では、バンコクチャオプラヤ川河口デルタ地帯の最新衛星データによる調査分析、既存地質データの解析、さらには現地踏査による俯瞰調査を行い、海岸浸食並びに土地利用改変等の地盤環境の詳細な実態把握のための調査研究を行った。また韓国釜山の洛南河口域において、河口堰の影響に関する現地予備調査を行なった。本年度は特にバンコク周辺における地質学的データの収集を現地研究機関と共同で行うと共に、地形図、地質図、植生図等を収集し、パーソナルコンピュータ上のGISに取り込み、「デルタ地帯総合環境データベース」のプロトタイプ作りを重点的に行った。衛星画像データを用いたデルタ周辺環境の俯瞰的解析から、とりわけ、海岸浸食においては、干潮時満潮時、異なる季節の画像を複数解析することにより、マングローブ林の活性度を考慮した詳細な環境分析が行えることが分かった。また画像解析によってデルタ域の水路分析を行い、かつての自然状態から現在までの変遷の過程を分析できた。一方、タイにおけるエビの養殖がデルタ環境に与えた影響、すなわちマングローブ林の伐採により設置されたエビ養殖場とその酸性化によって、廃棄された養殖場の分布を現地調査並びに衛星画像の濁度分析から明らかにできた。地盤環境調査からは、地盤沈下の著しい地域の地盤構造調査が不可欠であること検証された。今後これらの一連の調査研究結果から、次年度以降の調査ストラテジーが検討された。
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