研究分担者 |
青木 一男 独立行政法人, 産業技術総合研究所・開発安全工学研究グループ, グループ長(研究職) (60038594)
鹿田 光一 九州東海大学, 工学部, 助教授 (50243902)
蒋 宇静 長崎大学, 工学部, 助教授 (50253498)
三谷 泰浩 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20301343)
池見 洋明 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (90380576)
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研究概要 |
中国では石炭採掘の開発規模がますます拡大し、関連する地盤環境問題は将来的に非常に重要な課題となり、科学的かつ技術的研究の必要性を深めている。 このため、本研究においては地下採掘に関する地盤環境保全について中国の代表的な研究機関との共同研究として,中国側研究者の日本への招聘,および日本側研究者の中国への派遣を通じて、中国における石炭の地下採掘に起因して生じる地盤移動の実態と地盤環境保全の現状についての調査・研究を行い、その結果を取りまとめた。 中国国内の石炭生産の殆どは坑内採掘であり,地表に沈下を生じることは避けられない.中国全体では毎年13,300〜20,000万平米の土地に大きな影響を及ぼしている。地盤移動の地表物件への影響については沈下、傾斜、湾曲、水平移動、ひずみを検討することが一般的で、夫々地表に特異な影響を及ぼすと同時に複合して地表物件に影響を及ぼす。また,中国は河床勾配が小さな大河川が多く、平野部での累層採掘は、低地化によって内水排除の問題など流域全体に大きな影響を及ぼしている。九州大学側はGIS(Geographic Information System)を導入した新しい沈下予測解析方法を開発した.これを,華北平原の2ヶ所の地点に適用して,採掘の進展にともなう沈下を遂次予測するとともに地表の鉄道,橋梁などに及ぼす影響を評価し,影響を最小化する採掘計画の見直しの提案などを行った. 採掘計画に際しては、これらのインパクトを精度よく把握して,事前に対策を行うべきである.また、良好な環境の創出という今日の課題を考えると、これらの解決には体系的な地盤環境保全システムの確立によって資源開発と環境との調和が達成できると考える.
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