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2004 年度 実績報告書

日華植物区系に広域分布する植物の起源と伝播の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15405014
研究機関京都大学

研究代表者

瀬戸口 浩彰  京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (70206647)

研究分担者 遊川 知久  国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究官 (50280524)
百原 新  千葉大学, 園芸学部, 助教授 (00250150)
キーワード植物地理 / 東アジア / 日華植物区系 / ギシギシ属 / ドクダミ属 / ヒマラヤ
研究概要

本課題では日華植物区系に広域分布をする植物種を対象にして、地域集団間の系統関係を分子系統学的に解析するとともに,化石の年代や地理的分布,現生種との比較形態を併せて,日華植物区系に広域に分布を拡げることになった植物の起源と分布域拡大の過程について解明することを目的に進めた。本年度はタデ科ギシギシ属のキブネダイオウ(Rumex nepalensis)とドクダミ科ドクダミ(Houttuynia cordata),ならびにブナ科のアラカシ(Cyclobalanopsis glauca),ならびにスダジイ(Castanopsis siedoldii)とその近縁種の採集と解析に集中して進めた。キブネダイオウとドクダミの2種の植物では共通して、中国雲南省西部を境にして東西に種内の葉緑体DNAハプロタイプが分かれる傾向があることが判明した。この雲南省西部地域は、メコン川、サルウィン川、チャン川(長江あるいは揚子江)の3つの大河上流が、狭い範囲内に南北に3本が平行に流れるエリアである。この地形は明らかに第三紀のヒマラヤ山脈の隆起によって形成されたものであり、東アジア日華植物区系に広域分布する植物が、ヒマラヤ山脈の隆起によって分断を受けたことを意味していると考察している。また,ドクダミにおいては染色体数と各ゲノム量の解析も行った.その結果,中国には2n=64,72(FMC=1.8-1.9)が雲南省西部(六庫〜貢山)に分布し,中部・東部には2n=128(FMC=3.0-3.2)と96も分布する.しかし台湾と日本では2n=96(FMC=2.4)だけが検出された.従って,中国大陸から台湾・日本の島嶼系へ分布域が拡大する際には,その多様性の一部を持ち出す形で行われたと考えられる.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Leaf morphology of the rheophyte Rhododendron indicum f.otakumi(Erica ceae).2004

    • 著者名/発表者名
      Setoguchi, H., Kajimaru, G.
    • 雑誌名

      Acta Phytotax, Geobot 55

      ページ: 47-56

  • [雑誌論文] Variation of pitcher morphology within Nepenthes vieillardii Hook.f.(Nepenthaceae) in New Caledonia2004

    • 著者名/発表者名
      Kurata, K., Setoguchi, H.
    • 雑誌名

      Acta Phytotax, Geobot 55

      ページ: 181-197

  • [雑誌論文] 中新統土岐口陶土層の堆積過程と産出する大型植物化石の水利的挙動-岐阜県多治見市大洞地区の例2004

    • 著者名/発表者名
      中嶋雅宏, 中山勝博, 百原 新, 塚腰 実
    • 雑誌名

      地質学雑誌 110

      ページ: 204-221

  • [雑誌論文] Floral history in the Kathmandu Basin reconstructed from Plio-Pleistocene plant macrofossil assemblages.2004

    • 著者名/発表者名
      Momohara, A.
    • 雑誌名

      Newsletter of Himalayan Botany 33

      ページ: 16-18

  • [雑誌論文] Late Holocene natural and anthropogenic vegetation changes in the Dongbei Pingyuan(Manchurian Plain), northeastern China.2004

    • 著者名/発表者名
      Makohonienko, M., Momohara, A., et al.
    • 雑誌名

      Quaternary International 123

      ページ: 71-88

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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