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2004 年度 実績報告書

Ficus属樹木(絞め殺し木)の締め付け力発生に関する組織力学的調査

研究課題

研究課題/領域番号 15405015
研究機関名古屋大学

研究代表者

山本 浩之  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50210555)

研究分担者 吉田 正人  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (30242845)
キーワード引張あて材 / 引張の成長応力 / 気根 / 絞め殺し木 / Ficus
研究概要

絞め殺し木のFicusの種は、鳥の糞に混じりホストとなる樹木の枝などに着く。その後、発芽して細い気根を地面へのばしていく。気根は地面やホスト木に到着すると、肥大成長を促進させて、ホスト木を締め付けるようになる。つまり、気根が締め付けている。この研究の目的は、Ficus属樹木(絞め殺し木)の締め付け力の発生について組織的、力学的に調査し、この力の発生機構を解明することである。
ホスト木を絞め殺すような大きな力の発生メカニズムを知るために、まず、地面に接地している気根の組織的な違いを調べた。その結果、横断面において、引張あて材の分布に特徴があった。それは、髄付近は正常材が存在し、その周囲に引張あて材が全方位にわたり形成され、さらにその周りには、再び正常材が形成されている、というものであった。接地していない気根では、引張あて材は形成されておらず、髄付近の正常材が形成されているところだと分かった。
成長応力を接地前の気根と接地した細い気根について測定したところ、接地前の気根に比べて、接地した細い気根では大きな引張の成長応力が発生していた。締め付けの力は、引張あて材によって発生していると分かった。
以上の結果から、締め付け力は次のように発生していると結論づける。
(1)ホスト木に付いた種から気根が地面へと伸びていく。(2)気根が地面と接地したりホスト木と接触したら、気根は肥大成長を促進し、引張あて材を全方位に形成して引張の成長応力を大きくする。これによって、地面やホスト木を支えとして、成長に十分なしっかりとした足場を作る。この過程で、ホスト木が絞め殺されることになる。(3)肥大した気根は複数のものが、やがて融合していき、我々が目にする絞め殺し木が形作られる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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