研究課題/領域番号 |
15405020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米森 敬三 京都大学, 農学研究科, 教授 (10111949)
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研究分担者 |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
北島 宣 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70135549)
山田 昌彦 農業生物系特定産業技術研究機構, 果樹研究所・ブドウ・カキ研究部, 研究室長 (00355439)
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10211997)
神崎 真哉 近畿大学, 農学部, 講師 (20330243)
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キーワード | 完全甘ガキ / 羅田甜柿 / カキ属植物 / タンニン / 甘渋性 |
研究概要 |
昨年7月、華中農業大学園芸林学院の羅正栄教授を招へいし、中国で最近発見された完全甘ガキである‘羅田甜柿'以外に、中国で完全甘ガキが存在する可能性についての討議を行った。その結果、羅氏によれば、‘羅田甜柿'が発見された武漢市の北東に位置する羅田県では‘羅田甜柿'以外にも完全甘ガキが存在しており、そのいくつかは中国で品種として栽培する試みがあるとのことであった。そこで、羅氏とともに、‘羅田甜柿'の成熟期に当たる10月下旬に羅田県で‘羅田甜柿'以外の完全甘ガキの存在の有無を確認するための調査を実施し、羅田県で"小果甜柿"、"秋えん"、"天宝蓋"と呼ばれている甘ガキが完全甘ガキであることを確認し、‘羅田甜柿'以外にも中国に完全甘ガキが存在することを明らかにした。さらに、この滞在中、西北農林科技大学カキ遺伝資源室の楊助教授も華中農業大学を訪問してくれたため、中国でのカキ遺伝資源の現状を知ることができ、今後の中国での調査の方針を羅教授とともに検討した。 また、タイ王国でもカセサート大学林学部のWichan講師とともにカキの起源種となったDiospyros属の種の調査を実施し、D.glandulosaがカキ(D.kaki)に近縁である可能性を確認するとともに、タイでのカキ属植物と中国のカキ属植物の関係を今後調査していくことを確認した。最後に、本年度の調査から‘羅田甜柿'に日本の渋柿品種を交雑したF_1後代に完全甘ガキ個体が出現していることを確認し、‘羅田甜柿'が持つタンニン生成を抑制する因子が優性であることを明確にした。そこで、本年度、中国で新たに発見した完全甘ガキについても、‘羅田甜柿'と同様の甘渋性の遺伝様式を持っているかを確認するため、現在、"天宝蓋"と日本の完全甘ガキ品種との交雑を実施している。
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