研究課題/領域番号 |
15405020
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
米森 敬三 京都大学, 農学研究科, 教授 (10111949)
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研究分担者 |
中坪 文明 京都大学, 農学研究科, 教授 (10027170)
北島 宣 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70135549)
山田 昌彦 果樹研究所, ブドウ・カキ研究チーム, 上席研究員 (00355439)
田尾 龍太郎 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10211997)
神崎 真哉 近畿大学, 農学部, 講師 (20330243)
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キーワード | 野毛柿 / 野柿 / シーサンパンナ / D.glandulosa / 分布 |
研究概要 |
昨年度の標本調査から、"野毛柿"と記載され、学名としてDiospyros kaki var. sylvestrisが与えられている種が栽培ガキの起源に深く関与していることが考えられた。そこで、昨年9月、中国雲南省西双版納州に中国の研究協力者である華中農業大学の羅正栄教授、西北農林科技大学の王仁梓教授・楊勇助教授を招へいし、研究代表者および分担者とともに、西双版納州猛〓県でこの種の探索を実施した。その結果、猛〓県にある中国科学院西双版納熱帯植物園内の熱帯雨林園で自生している"野毛柿"を発見し、その果実を調査するとともに、その種子を採取することができた。このカキは、果面に柔毛が密生し、これまで調査してきたD.glandulosaと非常に酷似していたが、その果実形態はより栽培ガキに近かった。また、その果実にはタンニンが多量に蓄積しており、渋ガキであることが確認できた。採取した種子は研究協力者の羅教授が華中農業大学に持ち帰って育成中であり、今後、新たな共同研究として、そのDNA分析と染色体観察を行うことを計画している。 さらに、中国での野生ガキ("野柿")と"野毛柿"の分布域の再調査、および、カキの起源に何らかの関係をもっていると考えられる、マメガキ(D.lotus)、油ガキ(D.oleifera)、D.glandulosaの中国での分布域を明らかにする目的で、これらの標本調査を西双版納熱帯植物園標本館、昆明植物研究所標本館、武漢植物園標本館、北京植物研究所標本館において中国の研究協力者とともに実施した。その結果、"野柿"は中国各地に分布しているが、"野毛柿"は西双版納を中心とした雲南省で採取された標本にのみに存在することが明らかになり、カキの起源を考える上での雲南省の重要性が明らかとなった。また、中国にはD.glandulosaに分類されている標本は存在せず、"野毛柿"とD.glandulosaの関係を詳細に調査する必要性が明らかとなった。
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