研究課題/領域番号 |
15405025
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
天野 正博 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (60353562)
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研究分担者 |
日下部 朝子 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
松村 直人 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (30332711)
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キーワード | 京都議定書 / 吸収源 / 第2約束期間以降 / オセアニア / 森林 |
研究概要 |
昨年度に続きオーストラリア、ニュージーランドの温暖化対策としての森林の取り扱いについて調べた。さらに京都議定書の吸収源の取り扱いを巡る交渉の場で積極的に議論に参加している、日本、EU、カナダの京都議定書、3錠3項、3錠4項に対する取り組みについて、データを収集するとともに、それぞれの政策を比較検討した。 オーストラリアは都市の拡大、あるいは牧草地などの利用面積の拡大から森林面積の減少につながり、多くのGHGの排出につながるとしている。そのため同国は京都議定書において将来8%のGHG排出を許されている。2000年1月には総合的な温暖化対策であるNational Greenhouse Strategyを発表し、2008年までに1990年レベルのGHG排出量に抑えることを目標としており、これはこの政策により58-64Mt削減することになる。同国における土地利用変化に伴うGHGはソース(排出)として機能しているが、その排出量は減少傾向にある。上記した同国のGHG排出目標量は、この土地利用変化による排出量の減少についても含めて計算している。 ニュージーランドは、政府は京都議定書において吸収源として認められる1990年以降に植えられた森林から生じる全ての排出権と伐採による排出の責任を保持する。原則として、ニュージーランドは議定書3条4項における森林管理によるCO2の吸収・排出を計上しない予定である。炭素吸収源となる森林の育成を促進するメカニズムを開発する予定である。 各国の京都議定書削減目標の達成における森林の役割を調べたところ、日本がもっとも森林の炭素吸収量に依存しており、EUでは重要な役割を果たしていない。そして、カナダはその中間に位置していることが解った。
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