研究課題/領域番号 |
15405030
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 実 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (70050680)
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研究分担者 |
山口 敏康 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (90167700)
中野 俊樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (10217797)
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キーワード | 魚類 / ヒスタミン / ヒスタミン中毒 / アレルギー様食中毒 / ヒスタミンチェッカー / 衛生管理 / サバ科魚類 / HACCP |
研究概要 |
本年度は我が国への水産物輸出実績の高いヨーロッパに出向き、オランダ、ドイツおよびノルウェーで調査を実施した。調査拠点・カウンターパートとしてデュッセルドルフ・ハインリッヒハイネ大学(Prof.Manfred Grieshaber)とノルウェー・ベルゲン海洋研究所(Dr.Oivid Bergh)を選んだ。それぞれの拠点周辺で各種魚類をサンプリングし、ヒスタミンの分析を行うと共に、大学関係者、漁業関係者、分析担当者などにヒスタミンに関わる基礎知識とヒスタミンを通じた魚類の品質管理の啓蒙へ向けた講演を行おうとした。 ドイツ・デュッセルドルフで見学した大手のスーパーでは生鮮魚介類陳列ケースと消費者との間に柵が設けられ、消費者は直接魚に触れることが出来なかった。いずれの生鮮魚も氷蔵されており、管理が非常に良かった。ここで購入したサバ、マグロなどいずれの試料にもヒスタミンは検出されなかった。オランダではロッテルダムと漁港であるスケヘニゲンでマーケットと魚市場を見学するとともに、新鮮魚類を購入した。この時期、オランダではハーリングと言われる生ニシンの酢塩漬けが出回っており、それも購入した。外見では発酵が進んだハーリングであったが、ヒスタミンは検出されなかった。一方、スケヘニゲンの魚屋で購入したメバチから多量のヒスタミンが検出された。食するとヒスタミン中毒を確実に起こす濃度と言えた。冷蔵ショーケースに保管されたメバチであり、同所から購入したカジキにはヒスタミンは検出されず、その理由は不明である。 ノルウェー・ベルゲンではわが国に多量に輸入されているサバを中心にサンプリング、分析を行った。氷蔵管理が行き届いており、分析したいずれの試料にもヒスタミンは検出されなかった。今回は都合3回のヒスタミン管理のための講演を行った。
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