研究概要 |
前年度までに、タイ国カセサート大学の第2キャンパス(バンコク西方70km)において、過去数年間にわたり同キャンパスに持ち込まれた原因不明の疾病について、給餌飼料中カビ毒濃度および疾病の実態の情報を検討し、その結果を踏まえて今年度より、とくにブタの疾病をとりあげ、カビ毒の関与を究明することとした。また、同大学において共同で、HPLCによる飼料中カビ毒分析の方法をクリーンアップ方法も含め検討し、アフラトキシン等一部のカビ毒について、家畜家禽疾病とリンクした飼料の分析を行える体制を構築した。タイ国内で収集した豚飼料についてかび毒分析と真菌検索を行った結果、高濃度のアフラトキシン、デオキシニバレノール、ゼアラレノンに汚染されている飼料及び飼料原料が全体の0.7%-数%認められた。また、これら飼料からは、Aspergillus flavus, A.niger, Penicillium, Rhizopus, Paecilomyces variotii, Penicillium.Rhizopusに加えFusarium属真菌が分離され、これら分離菌のかび毒産生性を現在検討中である。飼料とその原料の中では、とくにカッサバに高濃度のゼアラレノン汚染が認められたことから、次年度にはカッサバに焦点を絞り、産地の土壌を含めてかび毒産生真菌とかび毒の汚染の実態を調査研究することとした。
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