研究分担者 |
土井 邦雄 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (70155612)
中山 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40155891)
上塚 浩司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (60251419)
小西 良子 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 室長(研究職) (10195761)
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研究概要 |
本研究の目的は、現在世界的に最も重要視されているカビ毒である、アフラトキシン、フモニシン、トリコテセン化合物、ゼアラレノンについて、かび毒濃厚汚染地域であるタイをモデル地域として選定し、家畜家禽飼料の自然汚染実態や家畜家禽疾病の発生実態についてフィールドでの知見を得ることにある。 今年度は前年度に引き続き、カセサート大学および周辺と畜場に持ち込まれた家畜用飼料についてかび毒分析と真菌分離同定を行なった。分離されたAspergillus flavus, A.niger, Penicillium, Rhizopus, Paecilomyces variotii, Penicillium.Rhizopus、Fusarium属真菌のうち、A。sflavusとPenicilliumの数株において、培養細胞に対する毒性が認められ、A。sflavus3株にはアフラトキシン産生が認められたことから、家畜の自然発生疾病におけるアフラトキシンの関与が疑われた。アフラトキシンの毒性影響の制御に向けて、ブタ体内におけるアフラトキシン代謝についてin vitro研究を行なった結果、肝臓におけるepoxy化活性とglutathione-Stransferase活性が毒性発現に大きな役割をもつことが認められた。これら活性を変化させる化合物をブタに給餌し、アフラトキシンの毒性への影響を検討したが顕著な効果は認められなかったため、腸管内吸着剤との併用を現在検討中である。
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