研究課題/領域番号 |
15406002
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (50099090)
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研究分担者 |
片山 博昭 放射線影響研究所情報技術部, 部長
山本 政儀 金沢大学, 自然計測応用研究センター, 教授 (10121295)
川野 徳幸 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助手 (30304463)
大瀧 慈 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (20110463)
遠藤 暁 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90243609)
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キーワード | セミパラチンスク / 核兵器実験 / フォールアウト / 環境放射能 / 土壌汚染 / 外部被曝線量 / 被曝者 |
研究概要 |
本年度は、従来の調査を引き続き行った。その内特筆されることは、平成14年9月にセミパラチンスクで放射線量評価の国際会議を開催したが、そこでは従来の評価がそれぞれの方法によりあまりにも違いが大きいので、これを国際的に解決する目標を提案し承認された。それを受け、ドロン村を中心とした測定を行った。平成16年3月10日広島大学原医研主催の国際シンポジウムを開催してそこで一連の研究発表を行った。放射線医学環境研究所のアプサリコフ所長も招待した。発表はドロン村のセシウムの測定を中心とした、金沢大の山本、坂口ら、その測定に基づいて線量計算をした京大原子炉の今中、煉瓦の測定を行った茨城県立医療大学の佐藤、染色体異常の解析をした環境科学技術研究所の田中ら、データベースの構築を進めている片山ら、による。これまでドロン村での外部被曝線量はグシェフが約2.2Gy、ステパネンコが1.1Gy、被曝の地図によると1.5Gy、高田らが煉瓦の測定により1Gy、原爆の放射能雲の計算が1.2Gy、歯のESR測定で0.13Gy、FISHによる染色体異常で0.5Gy以下でバックグラウンドと同じレベル、などであった。今回は、煉瓦が300から400mGy、山本らのセシウムの測定を基にした今中の計算が400から800mGy、ESR測定が28本の歯の平均で150mGyであった。染色体では線量評価には至っていない。これらから線量の見積もりの方法による違いは解消しつつあることが分かる。 その他、武市医師のグループにより、サルジャル、カラウル、コクペクティなどの村を検診した。甲状腺の超音波診断、血液を採取して甲状腺ホルモンを検査し、尿中ヨードの検査を行った。さらに血液の染色体異常、小核試験なども行った。検診は97名程度である。最終的な目標は、放射線被曝の線量評価は疫学調査と合わせて低線量率被曝のリスクを求めることにある。
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