研究課題/領域番号 |
15406003
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本多 義昭 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00093310)
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研究分担者 |
武田 美雄 徳島大学, 総合科学部, 教授 (70025716)
木内 文之 国立医薬品食品衛生研究所, 筑波薬用植物栽培試験場, 場長 (60161402)
飯田 彰 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40202816)
伊藤 美千穂 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (30283592)
林 宏明 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (50260998)
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キーワード | トルコ系民族 / 伝統薬物 / フィールドワーク / 薬用植物 / 中央アジア |
研究概要 |
本年度は、イラン北部地域のトルコ系住民の村を中心とした聞き取り調査と薬用植物の収集、およびこれまでの調査から得られている伝統薬物および薬用植物類の天然物化学的研究を行った。 イランでの調査は、2004年5月17日から5月31日までの日程で、テヘランより北部のカスピ海沿岸部を中心に行った。調査には、ちょうど昨年まで京都大学大学院薬学研究科薬品資源学分野に留学していたイラン人研究者の協力を得ることができた。 本年のイランでの調査の主な目的は、イランにおける本研究にかかる調査初年度であるため、今後の調査の基礎資料集めと、研究協力者との打合せ、アウトライン作りなどであった。イラン人研究協力者の多くが、マザンダラン州のサリ医科大学の教員であったので、調査活動の拠点をサリにおき、カスピ海沿岸部のトルコ系民族(トルクメン族が主体)が多く居住する地域の村にでかけ、伝承薬物に関するインタビューも試みた。近代医療の普及で、薬草の利用は極端に減っているものの、山岳地域でいくつか具体的にインタビューして得られたもののなかには、これまでトルコ、ウズベキスタンなどで聞き取りしたものとほとんど同じ呼称で使われているものも複数あり、今後の本格的なイランでの調査に期待が大きくなった。 しかしながら、問題点も見つかった。イラン都市部で使われる主な言語はペルシャ語であり、これはトルコ語やウズベク語(いずれもチュルク語系統の言語)と全く異なる流れを持つ(インド・ヨーロッパ語系統)言語である。トルコ系民族の村人の多くは現在でも彼ら独自のトルコ系の言語を使っているようであったが、我々に協力してくれたイラン人研究者らは、これらトルコ系の言語を理解できないため、新たな通訳を探す必要がある、ということである。 天然物化学的研究では、主にウズベキスタン産の植物から、抗トリパノソーマ活性、抗がん活性を示す化合物を報告することができた。
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