研究課題/領域番号 |
15406012
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
内藤 眞 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30045786)
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研究分担者 |
長谷川 剛 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90251800)
山本 尚 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70313517)
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キーワード | ミャンマー / インフルエンザA型 / インフルエンザB型 / 呼吸器感染症 / ウイルス株 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
アジアはインフルエンザの発生源であり、インフルエンザ発生のデータは必須である。しかし、熱帯では年間を通した疫学的研究は少なく、ミャンマーはインフルエンザ情報の空白地域となっている。医療体制の整っていない開発途上国ではインフルエンザA型とB型が簡便に検出できるキットはとくに有用と考え、これを用いて本研究では2003年から1年間にわたりヤンゴン市で500例を超える症例を調査した。 その結果、2003年には散発的にB型の発生を認め、さらに2004年7月に爆発的なA型の流行を確認した。これはミャンマーのインフルエンザに関する世界で最初のデータである。電力事情の極めて悪い中、共同研究者の勤務する病院の非常電源につないだフリーザーに検体を保管した。現在新潟で解析中であるが、幸いウイルスの培養にも成功した。これら結果はWHOに報告するとともに、今後のインフルエンザワクチン作製のための参考としてウイルス株を供与する予定である。今後、ウイルスの詳細な解析と近隣諸国のデータとの比較検討が重要である。 これらの成果はミャンマー医学界にとっても喜ばしい成果であり、今後の継続した研究が求められている。2004年秋の訪問の際、われわれのこれまでの現地での研究・医療活動に対し、ミャンマー保健大臣から感謝状を授与された。また、今年度中に新潟大学とミャンマー保健省との間で、医学研究教育に関する大学間交流協定を結ぶこととなった。われわれは今後もインフルエンザ調査の定点観測基地をミャンマーに設置し、本研究を通じて世界のインフルエンザサーベイランス網の構築に貢献するとともに、その他の発熱性呼吸器疾患に関する研究体制の基盤整備を進めるつもりである。
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