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2003 年度 実績報告書

鼻腔NK/T細胞リンパ腫の分子病理学的・疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15406013
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪大学

研究代表者

青笹 克之  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30115985)

研究分担者 中塚 伸一  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90303940)
星田 義彦  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40324777)
高桑 徹也  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40244933)
猪原 秀典  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00273657)
本行 忠志  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90271569)
キーワード鼻腔リンパ腫 / NK / T細胞 / Epstein-Barrウィルス / p53 / 遺伝子変異 / 農薬 / 症例・対照研究
研究概要

研究目的
これまでの研究から本疾患の発生にはEBウイルスが関与すること、又、生活・環境要因も重要であることが示唆される。これに加えて、大量の農薬使用者の父子に本疾患の発生がみられたことから、農薬を含む生活・環境要因と鼻腔NK/T細胞リンパ腫との因果関係を明らかにすることを目的とする。
研究実績
(1)「日常生活習慣・環境と健康に関するアンケート」を本邦および韓国の鼻腔NK/T細胞リンパ腫患者症例および慢性副鼻炎などの非腫瘍性耳鼻科疾患(対照)患者に施行した。これまでに約70症例と約200対象のアンケートを完了した。目標の100症例に徐々に近付きつつある。尚昨年末より調査地域を中国東北部に拡大し、本年夏よりインドネシアでの調査も開始すべく準備中である。
(2)中国東北部の鼻腔NK/T細胞リンパ腫の遺伝子(p53,k-ras,c-kit,β-カテニン)変異解析をパラフィン包理材料を用いて行った。PCR-SSCP法、直接シークエンス法を行い変異の確認を行った。症例の診断時の年齢は中間値で40才と本邦例に比べて10才以上若年の発症であった。P53変異は40%の症例に認められたが、これは本邦例(約60%)より低かった。中国東北地区の鼻腔NK/T細胞リンパ腫の特性は韓国のものに近く、本邦例とは異なることが判明した。
今後の展望
鼻腔NK/T細胞リンパ腫は発症年齢、遺伝子変異の頻度に地域差がみられることが判明した。このため、この点の調査をインドネシア、ペルーに拡大することとした。現在、両国の症例について検討中である。又、農薬との関連について疫学調査は現在、約70症例について終了しており、目標の100例に近付きつつある。研究代表者の青笹は昨年秋より中国医科大学の客員教授をつとめていることから、一層進行することが大いに期待できる状況にある。又、インドネシア大学より2名の研究者が研究打合せのために5月、8月に大阪大学を訪問の予定である。又、中国医科大学のJia教授が6月に大阪大学を訪問予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nakatsuka, S., Takakuwa, T., Yao, M., Tomita, Y., Hoshida, Y., Nishiu, M., Yamaguchi., M., Nishii, K., Yang, W.I., Aozasa K.: "Hypermethylation of DAP-kinase CpG island is frequent in B-cell but not in T-cell malignancies"Cancer Sci. 94. 87-91 (2003)

  • [文献書誌] Nakatsuka, S., Liu, A., Yao., Takakuwa, T., Tomita, Y., Hoshida, Y., Nishiu, M., Aozasa, K.: "Methylation of promoter region in p27 gene plays a role in the development of lymphoid malignancies"Int.J.Oncol. 22. 561-568 (2003)

  • [文献書誌] Hoshida, Y., Hongyo, T., Jia, X., He, Y., Hasui, K., Dong, Z., Luo, W-J., Ham, M.F., Nomura, T., Aozasa K.: "Analysis of p53, k-ras, c-kit, and β-catenin gene mutations in sinonasal NK/T cell lymphoma in northwest district of china"Cancer Sci. 94. 297-301 (2003)

  • [文献書誌] Nakatsuka, S., Liu, A., Dong, Z., Nomura, S., Takakuwa, T., Miyazato, H., Aozasa K., Osaka Lymphomas Study Group: "Simian virus 40 sequences in malignant lymphomas in Japan"Cancer Res. 63. 7606-7608 (2003)

  • [文献書誌] Hoshida, Y., Tomita, Y., Dong, Z., Yamauchi, A., Nakatsuka, S., Kurasono, Y., Tsudo, M., Shintaku, M., Aozasa, K: "Lymphoproliferative disorders in autoimmune diseases in Japan : Analysis of clinicopathological features and Epstein-Barr virus infection"Int.J.Cancer. 108. 443-449 (2004)

  • [文献書誌] Takakuwa, T., Luo, W-J., Ham, M.F., Ishikawa, E., Wada, N., Aozasa, K: "Integration of Epstein-Barr virus into chromosome 6q 15 of Barkitt lymphoma cell line (Rai) induce loss of BACHZ expression"Am.J.Pathol. (in press).

  • [文献書誌] 青笹克之 他: "みんなに役立つ悪性リンパ腫の基礎と臨床"医薬ジャーナル社. 367 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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